ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

山本七平「一下級将校の見た帝国陸軍」

一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)

一下級将校の見た帝国陸軍 (文春文庫)

ちょと短めにまとめる。amazonのレビューでも解かる通り、太平洋戦争のフィリピン・ルソン島での体験を主に書き綴った作品にも関わらず、その問題提起は現代日本に今でも届く。それはつまり昭和20年に「断絶」など起きていなかったことの現われなんだろうな。

「員数」だけ整っていれば実態はどうあれ問題は無い。陸軍のこの病理を著者は戦後労働運動の「主催者発表人数」に見るのだけど、個人的には「東京ドームの巨人戦と大相撲の千秋楽は空席があっても満員御礼」を、思い出した。

おそらく、いま大きな社会問題になっている「マンション建設構造設計偽装事件」も同じ病根に連なるだろうと、思う。