ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「小林宏明のGUN講座2」

小林宏明のGUN講座2―ミステリーから学ぶ銃のメカニズム

小林宏明のGUN講座2―ミステリーから学ぶ銃のメカニズム

まさか2巻が出るとは思わなかったのでつい書店で声を上げた一冊。いや非常に為になる本です。前作「小林宏明のGUN講座」

小林宏明のGUN講座―ミステリーが語る銃の世界

小林宏明のGUN講座―ミステリーが語る銃の世界

を補完する内容で、一部重複してる箇所もありますが、前作ではあまり触れられていない先込め式のマスケット銃やパーカッション拳銃などの解説は白眉のものかと。*1

「小説に鉄砲を出したいんだけれどよくわからない」という人にはこの本を勧めています。単純に銃器カタログではなく、カテゴリーや時代ごとに使用されていた銃器が「どのような仕組みで作動しているのか」を主眼に置き、尚かつ翻訳現場からの問い合わせに応じて著された実戦もとい実践的な解説本です。同じようなテーマで新紀元社の「図解 ハンドウェポン (F‐Files No.003)」というのもありますが、物書き向けという点からもやはりこちらを勧めたい。

「この時代の、この場所で、このようなキャラが使用するにはどんな銃が相応しいか」という事を調べるのは実はそれほど難しくはないし、正直設定次第では(無論ある程度の枠組みを外していなければ)別に何だって良い。問題は「この銃って撃つときにはどうすればいいの?」ということでなかなか解りにくいことではあります。こりゃ面白いなと思ったのは「主なオートマチック拳銃と手動安全装置の一覧表」で、レバーを上げるのか下げるのか、それは銃のどこについてるのか、そもそも手動式安全装置が無い銃もあって、意外にこの辺、間違いが多い。

多分、この本が便利なのは「何が正しいのか」ではなくて「何をすると間違いなのか」を学べる点で「小説に鉄砲を出したいんだけどよくわからない」という人には2冊まとめて、自信を持ってオススメします。

*1:前作ではAK47を「ドイツ軍のMP44を模倣して…」との誤認があったけれど、今回は正しく米軍のM1ガランドやカービンを参考にと直されている。前作も版を重ねて修正されているはず、多分。