ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジョージ・マクドナルド「北風のうしろの国」

北風のうしろの国 (ハヤカワ文庫 FT ハヤカワ名作セレクション)

北風のうしろの国 (ハヤカワ文庫 FT ハヤカワ名作セレクション)

なにしろ原著が刊行されたのが1871年なので古臭いを通り越して本当に古い。19世紀イギリスの子ども向けに書かれた読み物だそうで、小説というものがまだまだ数少なく、読書が「道徳」とかとイコールだったような(別にイコールじゃない読書だって在ったとは思うが)そんな時代の本。

内容はモラリズムとでも言うべきか、幻想小説の形をとって到底現実には有り得ないような利発すぎるお子さんとか、清貧思想とかもーいろいろ溢れています。少年が夜寝台を抜け出して出会う「北風」が非常に不確定かつ包容力のある女性として描かれてるところなどはある種の心理学者が涙を流して喜びそうなほど象徴的だ。馬の「ダイヤモンドじいさん」がかなり素敵なキャラクターなので動物好きには良いかも知れない。
挿絵は当時の版画をほぼそのまま掲載してるそうなので雰囲気は抜群である。

…多分これは「ウーフニックもの」なんだろうと思う。ウーフニックとはなんぞや、という事については書かないので各自勉強するように。