ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジャック・ヨーヴィル「ドラッケンフェルズ」

ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文庫G)

ウォーハンマーノベル ドラッケンフェルズ (HJ文庫G)

ドラキュラ紀元」シリーズのキム・ニューマンが別名義で著した剣と魔法のファンタジー、というのは多分誰でも書いてる枕詞w待望の復刊!も左様の如くにありふれた表現ww

まあ、懐かしいものである。初読当時友達に勧めて(あんまり本は読まないやつだったが)面白かったと同意を得られた記憶がある。その話には続きがあって「確かに面白かったけれど、序章読んだだけで○○が悪人だってすぐわかった」だったか…仰る通りでございます。

ミステリー仕立てのファンタジー小説なんだけれど、真犯人はすぐわかる。ぶっちゃけ事件が起こる前に誰でも犯人が解かると思う(汗)

以下ネタバレ含みます。


二十五年前、邪悪な大魔法使いドラッケンフェルズを討伐するため立ち上がった選帝侯子オスヴァルトは自らの従者、師たる学者に加えて盗賊殺し屋賞金稼ぎ、邪術使いにドワーフの二人連れに復讐者と他酒場の女給一名という、いかにもRPG的なパーティを率いて魔術師の城へと向かう。苦心惨憺一行は次々に命を落とし…

そして現在。平和な時代を迎えた帝国(エンパイア)では英雄オズヴァルト公子の主催により、当時の冒険が演劇として催行され、生き残った仲間達が集うのであった。主無きドラッケンフェルズ城で次々に起こる殺人。果たして嘗ての仲間達を謀殺している犯人は?黒幕の正体は!?

多分この「劇」というのがよかったんだと思う。舞台の上では英雄は役者であり、役者が英雄である。

偉業を成し遂げ、功なり名なり成し遂げた者がいる一方で、市井に身をやつし世間に背を向けた者もあり…なところが単純な英雄譚でもなく。精神病院に収監されたり修道院に篭ったり、酒に身を持ち崩して癌に侵されたりといろいろ大変。

もとはウォーハンマーRPGをベースにしているのだそうだが、キャラクター各人によってそれぞれ事情があり、そのために異なった様相を見せる社会や世間というものがなんか多人数っぽくてよいなあ、などと思うところである。

吸血鬼ジュヌヴィエーブのキャラには一言も触れてないけど別にいいよな、多分誰でも書いてるだろうから。

余談。

劇中劇でドラッケンフェルズ役を演じる俳優が嶋田久作のイメージだと言われてなるほど納得。ならば投矢銃(ダーツピストル)使いのアントン・ファイトは宍戸錠だ!<なんで邦画やねん。