ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

物集高音「大東京三十五区 冥都七事件」

大東京三十五区 冥都七事件

大東京三十五区 冥都七事件

前々から装丁に目を惹かれていた一冊。文庫版もあるそうだが(asin:4396331665)いずれにせよあんまり話題を聞かない本でさてどうかなと。カバー折り返しあらすじより抜粋するに――

未だ闇深き「冥都東京」に現る七ツの謎、謎、謎――血を吐く松、石雨れる家、夜泣きする石、迷路の人間消失、予言なす小さ子、消える幽霊電車、天に浮かぶ文字――
これら奇々怪々、不思議千万の事件を取材するは、
早稲田の芋ッ書生にして、雑誌の種とり記者の阿閉万(あとろじよろず)
かたや、その綾(あや)を解(と)いて見せるは、下宿館の家主で「玄翁先生」こと間直瀬玄蕃(まなせげんば)
この大家と店子の珍妙なる問答の末に明かされる意外な真相とは?

いわゆる安楽椅子探偵ものの連作短編集。全編講談調の文体と言うか語り口が一寸面白くて、声に出して読んだらおもしろいミステリー、かも知れない。比べて内容はいまひとつの感が拭えず、もう少し登場人物に魅力あるいは色気のようなものがあればなと考える。巻末作でこれが連作である由の、ひとつのどんでん返し*1があるのだけれど、途中でネタが割れます。上記引用文にヒント有りです。

○の○○ネタ、ということで終幕主要人物の一人が退場してしまうのだけれど、これってまだ続きあるんだよな??

*1:まーありがちな趣向ではある