ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

日下三蔵 編「日本SF全集 1」

解説だけが先に出て叢書の方が後から(しかも別の版元から)出るというのは実にエスエフですねw

第一巻は黎明期の日本SFを扱っていてなんだろうまだカギカッコ付きで「日本SF」をエンタープライズしようとする勢い、熱気のようなものが感じられる気はする。豊田有恒の「両面宿儺」や 山野浩一の「X電車で行こう」などタイトルは知っていても内容を知らずに居たものが読めてそれはよかった(後者はその昔OVAだかなんだか、アニメ化で存在を知った)。今になって、後知恵で読んでしまえば、荒削りに見える面があるのは仕方なかろうと、思う。荒さは決して、粗さではない訳で。しかしやはり同時代にその瞬間のものとして読んだ人たちとは受け止め方が異なるのだなーと熱気溢れる巻末対談を読んでいささかフクザツな気分になったことは確かだ。しかしまぁ、だれそれはこれこれのほうがもっと面白いです。いやそれは別で復刊を考えてますとか、そんなこと言わなくても…

公式サイト見ると最終第六巻には上遠野浩平の「ロンドン・コーリング」入るらしいんでちょっと期待。これ今までタイトルは知ってても内容を知らずに居たもので…