ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

今日泊亜蘭「宇宙兵物語」

再読。

その昔大学の先輩と日本の軍事SFについて話した事があって、銀英伝があーだ航空宇宙軍史がこーだと十年一日の不毛な話を展開してた時「『宇宙兵物語』は結構面白かったすよ」てなことを言ったら


「ありゃ軍事じゃねぇ、浪花節だ」


と返された覚えが。久方ぶりに読み返すとうん、これは浪花節ですね江戸っ子ですね(え?

「自己犠牲を厭わず、人知れず正義を護り、相思相愛なのにヒロインと結ばれることのないのが、日本製ヒーローの正しい姿」とゆーのはまるで別の本の内容主題なんですが*1ええ、それで全部言い当てられてます。未来の宇宙で未来の軍隊ですが戦争はひとつもおこらずありとあらゆる人種のキャラがどいつもこいつもみんな義理と人情を紙風船にして動いてます。それがいいんだよ。親の敵を冥王星まで追い詰めて射殺したらそいつこそ幼い頃から自分を支えてくれてた匿名の恩人でしたなんてのは常識の範疇で実にテラ昭和な空気w

「銀河乞食軍団」とか野田SFが見直されてる今日この頃なので、是非こちらも再評価されてほしいものです。講談調SFの嚆矢…とか。

*1:なんでも「萌え」の起源 (PHP新書 628)って本だそうだ