ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

水樹ケイ「鋼鉄のワルキューレ」

鋼鉄のワルキューレ―ケーニヒスティーガーin WW2東部戦線(オストフロント)

鋼鉄のワルキューレ―ケーニヒスティーガーin WW2東部戦線(オストフロント)

白状してしまうと初めて書店で見かけたときには飲んでもない筈のコーヒー吹きそうになった。金髪美女とキングタイガーの組み合わせって大概だよな。誰でも思いつきそうなことだけれど、その誰でも思いつきそうなことを本当にやるのは大変なことなのですよ、な歴史群像大賞最優秀賞受賞作。

思うに日本でこの手の分野って(表現形式は違うが)小林源文が「黒騎士物語」とか「カンプグルッペzbv」を描いてたころに全部確立されちゃって、あとはそのヴァリアントが再生産されてるだけなんじゃないでしょうか。梅本弘の「エルベの魔弾」*1なんかはかなり面白く読んだものですけど。

作品自体は如何にもありがちなキャラクター群とそれほど予想を覆さない展開と、若干雑な構成に視点の交錯する粗い文体など*2、宜しくない所を挙げていったほうがカンタンなんですけど、まあ嫌いじゃないよな、こーゆーのもな。

作者はレディースコミックも描くマンガ描きだそうで*3そーゆー場面も有り。小林源文にも梅本弘にもない要素な訳で、これはこれでヴァリアントとしても在りなんじゃないでしょうか。お姫様だっこってベタ過ぎな気もするんですけど。


どうにも歯切れの悪い感想ながらこの本嫌いになれないのは三号突撃砲の活躍シーンがあるからだったりするw

*1:現在は学研に版元が移って「ベルリン1945 ラスト・ブリッツ」と改題されているが、大日本絵画の頃の方がずっと良いタイトルだ

*2:後の二つはしょうがないかな、とも思う。なんでそうなったのかはなんとなくわかる気がする

*3:プロかどうかは知りません