ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジョー・ゴアズ「スペード&アーチャー探偵事務所」

スペード&アーチャー探偵事務所 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

スペード&アーチャー探偵事務所 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

別作家によるダシール・ハメット「マルタの鷹」の前日譚。オマージュというか要は二次創作で、良かれ悪しかれそういうもの、である。私立探偵サム・スペードといえばハードボイルドの非情さを表す代名詞のような人物で、「マルタの鷹」第一章中ほどで登場した相棒のマイルズ・アーチャーが第二章の冒頭でもう死んでる*1というのに

「これでやっと少しひらけてきた。マイルズのやつがどこかでくたばってくれたら、ここもなんとかやりくりしていけると思っていたんだ(後略)」

なんて台詞を吐くのである。まさに非情!男はこうありたいね!!でもこの本読んでそれまでのアーチャーのアチャーぶりに目を遣ると

はい先生、わかります(・ω・)ノシ

な気分になる。だいたいそんな感じの本です。なぜスペードがごく僅かな数しか生産されなかったウェブリー・フォスベリー・オートマチック・リボルバーについて「何度も見たことがある」のか、その理由が明かされるとか、いや、そういうこと望んでる人ってそんなに大勢いるのかなと、賛否両論ありそうではありますが…

スペードの秘書エフィ・ペリンがまだ初々しくてすっげェ可愛いので全部許します(*´Д`)ノシ

なんというかこー、これは戸松だなと。いやそういうこと望んでいる人って全然いないと思いますけど。

余談。

マイルズ・アーチャーのあまりの呆気ない死に様からロス・マクドナルドが生み出したのが私立探偵リュウ・アーチャーで、これは非常に人気が出て長生きしました。そこで自分はRPG「クトゥルフの呼び声」でアーチャー・マイルズなるキャラクターを作って、これは不人気で早死にしました(´・ω・`)ショボン

*1:ミステリー小説界の夜叉八将軍・不知火と呼んであげやう