ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「月に囚われた男」を見てきました。

イマドキめずらしい、低予算インディーズSF映画で、公式サイトはこちら。様々な映画祭でいろんな受賞をしているようだけども、冷静に考えると聞いたこと無いアワードばかりだw さてストーリーはと言うと――

月の裏側の採掘基地でコンピューターを相棒にひとり働くサム君。任期の三年間をつまんない映画を見たり故郷の街並みをディオラマで作るとかゆー暗い趣味にふけって衛星軌道ひきこもりになってるうちに、どうもアタマのネジがゆるんできたらしいです。家族からのビデオレターをあんまりくりかえして見たもんだからかついに居るはずもないオンナの姿が幻覚にまで見えてくる始末。あと2週間がんばれば地球に帰れるうはやったー!とか思いつつやっぱり幻覚見ながら仕事してたせいでか、ある日作業中に月面車と無人採掘車輌が激突暗転意識不明――


基地の医療室で目が覚めてみると な に か が お か し い 。AIは妙に不審な態度をするし、地球本社の人間も変な指示を出してくる。どうやら自分を基地から出さないように画策しているようで一計を案じて外に出て、事故現場に行ってみると車内にはもうひとりの自分がまだ取り残されていて――


基地の医療室で目が覚めてみると な に か が お か し い 。自分はズタボロで伏せっているのにベッドの傍らにはもうひとりの自分がピンピンして立ってて「お前は幻覚だ」とか言ってくる。いやいやお前の方こそ幻覚だろうと――


なんてこった、「惑星ソラリス」に来ちまったぞ。


幸いにしてそういう映画ではなかった(苦笑)。基本設定はツッコミどころ満載だけれど、限られた予算と限られた期間と限られた人員(主要キャスト1名)で作られた毛色の変わったSF映画で面白かったなー。ものすごく地味なお話なんでひとさまには勧めがたいんですけど。

巨大な無人作業車輌が月面のレゴリスをガリガリ削ってヘリウム3を採取してたり、バルーンタイヤ6輪の月面車がITC作品みたいな月面基地から発進してクレーターだらけの地表をガラゴロ走り回ったりする。なんてーのをイマドキ珍しいミニチュア主体の特撮で撮ってて、小汚い宇宙服とか古くさいフォントで文字表示されるモニターとか如何にも20世紀いや テ ラ 昭 和 な時代の外国SF映画か。なんかもーSWとゆーよりまさに「SF3D」もしくはマシーネンな世界観でサム君もアートナイフ一本で模型作ってたりするわと実にモデラー好みの一本でした。

まーやっぱ、ツッコミどころ満載、ではあるんだけどな。結局は企業陰謀SFなんだけど、それじゃ経費削減には全然なってないジャン!とかものすごく根本的なところで。とってつけたようなハッピーエンドにはなるのだけれど、その陰謀企業が珍しくハングル系だった。ふつーSF映画に登場する未来の悪徳企業且つアジア系っていうと大抵日本企業だったりするもんですが(「ロボコップ3」とかなー)、その点日本人として喜ばしいんだか悲しむべきなのか、イマイチよくわからんwでもこの映画あっちに持ってったらカンシャクおこる!んじゃないかとそれは心配になるww