ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

太田忠司「甘栗と戦車とシロノワール」

甘栗と戦車とシロノワール

甘栗と戦車とシロノワール

太田忠司というひとは一時期随分入れ込んでたんだけれど、気がついたらいつの間にか読まなくなっていた、そんな作家。確か最後まで読み続けてた狩野俊介ものがイラストレーター変更しちゃって、その為だったか。最近になって久し振りに手に取った「甘栗と金貨とエルム」asin:4048737163は、これやっぱりイラストに釣られて読んで、名古屋の探偵が東京に出てきていろいろ面食らう展開は往年の「Jの少女たち」asin:4061817124を思い出して楽しかったんだけれど(残念ながら)さほど強くは印象に残らなかったので感想は挙げなかった。

そんでシリーズ第二段です。主にタイトルに釣られて読みました。
特に戦車ってところにです。


結論から申し上げると(残念ながら)戦車は出てこなかった。そーゆーあだ名のキャラクターが登場するだけだった…


話は…前回より断然良かった。


思うに、太田忠司というひとの作品は面白さの大部分を登場人物に依っているのではないだろうか。それはつまりストーリー全般やギミックは弱いのでは?ってことなんだけれど、前回いまひとつ捉え切れなかった主人公、高校生探偵甘栗晃のキャラクターが漸く掴めたような、そんな気がする。

要するにこの子はハードボイルドなんですね。探偵をやるとか謎を解くとかそういうことではなく、生き方や物の考え方を他人に任せない。そこが良かったな。この先も是非続いてほしいし読み続けようと、なんだか久し振りにそう思った。


しかし名古屋の食べ物は ケッタイ ユニークな物ばかりですねー