サブタイトルはめんどくさいんで略。公式
で…だ。なるべくネタばれは避けて通ってたんだけど、漏れ伝え聞くところでは酷評ばかり。おまけに直前になってかなりのマイナス評価を聞かされたんで正直まるで期待せず、地雷原に飛び込むのも仕事半分!と開き直って人も誘わず一人で行ってきた。
以下ネタバレありです。
「連邦軍新型MAガデラーザ(右)と対峙するダブルオークアンタ」
みたいにテラ蛇足ものを想像してたんだけど、いや全然そんなんじゃなかったわ。
すげー、
すげー面白かったじゃないかよなんで世の中評価低いんだよこれ!!
うん、まあ、そうだな、低いのはわかるな。多分次のようなタイプの方には受け入れがたい内容だと思う。
・新作ガンダムが見たい。
・ダブルオーの続編が見たい。
・ダブルオーのキャラ萌えがしたい。
およそガンダムらしくはないし続編としてはやってることに進歩がないし登場キャラに魅力はまったくありません(問題発言)。いやね、よかったなビリー!とかキム司令ありがとう!!など同窓会的な楽しさはありました。けれどそれが「魅力」か?と言われるとはなはだ疑問だ。巨大MAガデラーザと劇場版新登場キャラのデカルト・シャーマン大尉がとんだ咬ませイヌだったところなんざ全部釣りかよ!黒田先生ヒデェよ!!なんて思ったものですが…
じゃあ、俺はいったい何が面白かったんだろう?
メカ的には美味しかったです。ガンダムハルートが歴代アレルヤ機の意匠を強く残しているところ、サバーニャがTVシリーズ二期での2代目ロックオンの没案決めゼリフだった「乱れ撃つぜ!」を拾い上げてるところ、ラファエルガンダムが唯一ガデッサ系列だったのはあーゆー意味だったのか!などいろいろシビれましたもんですハイ。最終決戦で宇宙用ティエレンと特攻しないガガが共に戦ってるとこなんざ旧人類もイノベイドもみんな仲間だー!!とか…
いちばん良かったのは2カットだけ登場を確認できた「宇宙用リアルドタンク」だけどな!地味過ぎて泣カス!!
でもね、本当に面白いのはそこじゃなかったんですよ。
ダブルオーの劇場版はウルトラセブン第16話「闇に光る目」みたいな話だったんです。
「闇に光る目」ってのはだいたいこんな話です
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岩石怪獣アンノンがあらわれた!→ウルトラ警備隊のこうげき!→アンノン は はね返した!→ウルトラセブンのこうげき!→アンノン は はねかえした!→キリヤマ隊長 は しつもんした
「お前は何しに地球に来たんだ?」
最初から聞けよ。
なにしろ相手は岩だったんで、コミニケーションひとつするのもタイヘンなんです。宇宙人ってヒトじゃないんです。
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そこでさよならもとい「こんにちわジュピター」であるところのダブルオー劇場版は、従来のガンダムシリーズには不足している(マクロスシリーズでは十分堪能できる)「時間が経てば文明は進歩し拡大化する」みたいなスケールの広がりを、決してヒトではない宇宙人とコミュニケーションすることでやってみせるとゆーああもう実にえすえふじゃないですかこれ!いつまでも地球近傍でぷちぷちやってないよ!火星軌道までトランザムだよ!
てなところが面白かったのです。
「老成した文明がすることはふたつしかない。知識の探求と美の創造だ」
引用文は野尻抱介「沈黙のフライバイ」*1からの一節。この本読んでてよかったなあ。上映途中からこの文章がずっと頭の中をぐるぐる回ってました。おかげでラストシーンの宇宙空間に巨大な花を咲かせるというトンデモぶりにも「珪素生命体*2と異種族間コミュニケートするなら戦闘兵器のデザインよりも植物細胞構造の方がより美しいよな」などと、すごく納得しました…
果たしてあれは「愛」なのか?自分はむしろ知性とか論理とかを越えて異なる種類の生態構造をお互いに取り込んで進化していくつまりその、
花って生殖器ですから
要するにその、ね…
愛じゃねえ、肉体なんだよ!!(サイテーだ)
そんな意味ではマリナ・イスマイール一人勝ちだと思うんです。
歴代ガンダムヒロインの年齢層を大幅に超越してもゴロゴロし続けた甲斐がありますね♪(本当にサイテーだ)
それと結局咬ませイヌだったデカルト・シャーマン大尉、いかにも釣り餌でしたが僕は好きです。イノベイターといえども完璧超人じゃないんだ、むしろみんながイノベイター(になれる)なら、それは普通のことなんだな…と、そしてその上で、そこからなにか努力しないと、コミュニケーションは成立しないんだ…
手乗りティエリア先生をみてふと思う。黒岩よしひろの「魔神竜バリオン」は、ありゃ四半世紀は早かったなー、と。
「続編としてはやってることに進歩がない」と先に書いたのはちょっと言いすぎたかもしれません、けれど結局「戦争よりも対話だ」ってことはTVシリーズと変わらないし、その為に新型ガンダムが必要だってことも基本的には変わらない。ダブルオークアンタがまさかコミュニケーションツールとしてのみ活躍するとは流石に意外で、この先プラモ売れるのかなーとちと心配になったw
でもね、コミュニケーションって結局殴り合いから始めるもんだと思うんですよ。ああほら、考えてみれば一番最初の「機動戦士ガンダム」だって映画のクライマックスは
「なぐりあい宇宙」
だったでショ?
まだプログラムには目を通してないんで、果たしてスタッフが何を考えてこんな話を作ったのかはわかりませんが、一応自分はこのように思ったわけです。
<追記>
プログラム読んだー。
うん、だいたいあってる(`・ω・´)
それと「ゼーガペイン」企画段階の全52話Ver.で登場するはずだった新型ゼーガってハルートのことだと思うの(´・ω・`)
<さらに追記>
金属というのは遺伝形質ではなく経年変化で姿を変えるものなので、メタルせっさんがヴァヴァア姫を良しとするのは実に自然な成り行きだなとひと晩経ったらおもいますた。劣化するから美しいのだ。