ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

文藝春秋編「奇妙なはなし」

奇妙なはなし (文春文庫―アンソロジー人間の情景)

奇妙なはなし (文春文庫―アンソロジー人間の情景)

ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」が収録されているアンソロジーと聞いて借りてくる。久しぶりに再読した「たんぽぽ娘」はやっぱりロマンとロリコンに溢れていたわけであるが、しかし他の収録作品がなんだか怪談じみた話ばかりだったのでこの一本だけ異様に浮いてるw

江戸川乱歩の「防空壕」とか名前だけ知ってたのを読めたのは良かった。半村良の「箪笥」はこれ前に何処かで読んだか単に内容だけ聞き知っていたのか、「知っている」はなしだけれど、ものすごく怖い

トルーマン・カポーティ谷崎潤一郎つげ義春のイラスト付きエッセイなど基本は短編集ながら「みじかい話」とされる掌編作品が芥川など6本挟まれ、さらにはところどころにほんとうにあった不思議な出来事なども挿入される不思議なつくり。文芸春秋70周年記念出版の一冊らしいんだけれど、作品群自体ははよその版元から採って来ていたりでどういう意図の編さんだか正直よくわからない。非常に面白い本だが存在自体がとても奇妙だ…