ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

マイクル・スワンウィック「グリュフォンの卵」

グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)

グリュフォンの卵 (ハヤカワ文庫SF)

名前は聞いたことあるけど読んだことのない作家…と思ったら大古の昔に読んだ「クローム襲撃」asin:4150107173にギブスンとの共作が載ってたらしい。流石に覚えていない(苦笑)80年代に出てきた人で、ポストサイバーパンクとかの文脈で語られたりする作家…らしいが。

地球上での大規模核戦争と取り残された月面基地での「蝿の王」風味なコミュニティを描いた表題作はじめ作風は様々。むしろオーソドックスなSF、いかにもなハードSFもあったりでバラエティには溢れています。時間移動、タイムトラベルを扱った2本「ティラノサウルススケルツォ」と「時の軍勢」はなかなか良いなあ。ところでファーストコンタクトSFに女性主人公が多いのは何かの流行りですかね?日本でもそうだよねぇ。

と、ヒューゴー賞やらなんやらにノミネートされたり実際受賞してたりする人の作品集なんで良作揃いなのは間違いなく、さりとて何がしかの記憶に残る程のインパクトはどうも不足だよナーなどとフソンな気持ちで読み終え、解説に進み、そこでとんでもないインパクトを受けることに。これは記録し、記憶せねばなるまい…

(略)そして生まれたのが長篇 The Iron Dragon's Daughter だった。エルフやドラゴンや魔法を素材としながら、取り替え子としてドラゴン作りの工場にさらわれてきた少女の成長を描いたこの長編は、スチームパンクやエルフパンクといったサイバーパンク以降の(後略)


エルフパンクって何ですかΣ(゚д゚lll)


この本でたのが2006年、やっぱり海の向こうの文化潮流は未だによく解らないし、上手く伝わって来ないものなのかなぁ。


最近紀伊国屋の洋書コーナーでやってたスチームパンクフェアをのぞいてみたら、オサレバーチャル・オルタネイティブ19世紀ファッションとかの、なんだかコスプレ的な服飾ガイドブックの割合が高くて驚いたりしたもので、もはやパンクでもなんでもねーのだなーと思わされたりしたもんですハイ。

…なんでも「パンク」ってつけるの禁止にしようよぅ