ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

戸高一成編「証言録 海軍反省会3」

[証言録]海軍反省会3

[証言録]海軍反省会3

第三巻は第21回から30回までの証言を記録。うち第27回だけ欠番になってるのは事務処理上の手違いであって、何か本当にヤヴァイ発言があって記録が抹消されたりする訳ではない(w

作戦計画、外交方針などからレーダー技術や砲戦技量などだんだんと話が細かい所に及んで行くような流れか。対独関係で大島大使のドイツ贔屓の度が過ぎることは様々なところで批判されている訳だけれど、やはり現代と比べて当時の情報・ネットワークは良くも悪くも個人の責に依って立つところが多いのかな。反省会が開催されていた時期の一般刊行書籍への反論や反駁などもあって*1いろいろ考えさせられるところもありますが、「海軍は行政機構の一部、陸軍を抑える役目を負わせるのは間違い」とする論*2は、自分としてはやっぱり容認し難い。システム内に実力を有する機関として存在し、且つ上位者たる内閣を事実上差配出来た立場でそれはないよね。

例によって「砲戦屋」の方の発言、証言は実に威勢が良いのですが、これをこのまま額面通りに受け取っていいのか少し不安になった…

*1:公開されたばかりの映画「Uボート」が良く出来てると潜水艦関係の方が褒めたりもしている

*2:出席者すべてがこのような論調ではないが