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ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ガールズ&パンツァー。

なんだかんだで最終話まで視聴完了、以下ネタバレ含む。
いや面白かった。戦車を好きでいて良かった。放送開始以来戦車模型ばっかり作ってたんでそろそろ別の物を…なんて考えてたんだけど、12話見たらタミヤのM3リーが作りたくなって仕方ない(笑)


なにが良かったかって考えたら、やっぱり作品のつくりが丁寧だったってことにつきる。それは例えば決してリアルでもなんでもない戦車の挙動CGであったり、今どきめったに見かけないような古典的スポーツストーリーであったり、逆に最近の流行りであるロケ地タイアップ聖地巡礼ものであったりする、その様々な要素において丁寧なつくりをこころがけ、結果それぞれの要素が非常に高レベルなところで結実し、わずか1クール全12話のストーリーを濃密なアニメーションへと昇華せしめたということでしょう。「クオリティたけえ」と、そのひと言に尽きる。


製作体制は逼迫して2度の総集編挿入と3ヶ月の放送延期になったわけだけれど、結果としてその総集編は(これがまた、うまいタイミングで)作品の内容理解を深めることとなったし、放送休止期間中は地元大洗のみなさんによる盛り上げやプラモデルを初めとする関連商品への渇望を、むしろ煽ったような感もありで結果として色んなことが、上手く回ったように思います。いやプラッツのプラモはもすこしなんとかならなかったのかとそこは苦言を呈したいところですが…


戦車の動かし方に関しては、これはグレメカのインタビューとかを読んだ方が早いんだけど決して「リアル」ではありません。実を言えば嘘臭い。でもね、例えばもし「カリオストロの城」の大塚康夫作画によるカーチェイスの挙動を「リアルじゃない」と切り捨てる人がいたらそれはちょっと気の毒なヒトですねあなたわと、そんなふうに思う。エンターテインメントの価値・判断基準は決してリアリズムだけではないし、むしろ基準をリアルに置いているような人々の「リアリズム」がどれほど現実に即しているかと言えばそれは結構疑わしいのだ。


キャラクター造型で言えば初回から20人以上のレギュラーメンバーを誰一人余すところ無く魅力的に描いたのはもはや驚異的な作劇です。その辺は脚本のみならずシリーズ構成・演出も含めたスタッフの「戦術と腕かな」(w あんまり比べるものじゃありませんが、某ダ○ボール戦機なんて3人越えたらあっぷあっぷなのとは実に対照的です。多分に、お話の中核となるあんこうチームのキャラ・声優陣に比較的地味なメンバーを配する一方で、相対的に出番少なめの大洗の生徒達を濃いめのデザイン、記号を配置し(ライバル校を含めた)個別のチームリーダーには中堅・ベテラン声優を据えて…という、キャラだけでなくチームカラーも含めてポジション取りがはっきりしてたのが成功の鍵か。スタッフコメンタリーで岡部いさく先生だったか、「非常にわかりやすいつくりをしている」と仰っていたのが印象的でした。


アナウンス当初から良くも悪くも耳目を惹きつけた派手な塗装の「痛戦車」も、まずそれぞれの車輌・チームの個性を印象づけるための処置であって、はじめは全面どピンクの戦車から敵前逃亡してた一年生チームの面々が、最終話ではいちばんの成長ぶりを見せてくれて・゚・(ノД`)ホロリ 11話ラストでこれまで大活躍だった歴女チームの三突が撃破されたときのΣ(゚Д゚)ヤベー 感じと、それは同じ事なんだよな…。最終話まで「根性で押せ!」のバレー部チームは実はギャグ要員で、ほんで生徒会チームは姉的ポジションなんだろうな。桃ちゃん×柚子ちゃんベッドの上では立場逆転カップルでオネシャス(何


実の姉妹、フラッグ車同士の最終決戦の舞台が「学校」だったことにはどんな意味合いがあるのだろう?入り口に陣取りそこを死守して果てる自動車部ポルシェティーガーの姿はベルリン戦でブランデンブルグ門を防衛してたミュンヘベルグ戦車大隊のティーガーI(無論ヘンシェル型である)とダブってもうね、号泣ですよ号泣(´;ω;`)ウッ…


黒森峰女学院の略称が「クロ高」だったのがなんていうかな、巧妙すぎるよな。


「黒森峰が急にバカになったが?」「そりゃクロ高だからな」「なんでそんな学校が九連覇を?」「そりゃクロ高だからな」


これで万事解決である。あいつらの中身はメカ沢とかフレディとかだったんだよ!


姉妹はともかく母娘関係が結局どうなったのかは明確には描かれなかったのだけれど、ここは特典OVAでの補完待ちってことでいいのかな。ダーさんvsまほ姉とかも見たいんだけど、さすがにそれは枠が無さそう。


アニメ作品の製作本数は増えても業界全体の売り上げ的にはあまりよい話を聞かない昨今、これほど多くの人気と支持を得られた作品がスポンサーなり営業サイドなりから次作を要求されないはずはないのだけれど、果たして二期とかそう簡単に作れるのかな?やりたいことを何もかもこの全12話に詰め込んじゃったんじゃないかと、そこはちょっとだけ心配になります。


水島監督はじめ制作に携わったスタッフ・キャストの方々、作品世界とファンの楽しみを多いに盛り上げてくれた大洗町の皆さん、ツイッター「#模型戦車道」タグをはじめ様々なところで素晴らしい作品を見せてくれたモデラー諸氏、総統閣下や丸山ちゃんや実車・戦術解説やそのほかたくさんのネタやMADの動画を上げてくれたおまいら、そしておれたち。みんなで、


勝利万歳!イヤッホォォォォォウ、最高だぜぇ!!

いまはそんな気持ちでいっぱいです。


あとまー、なんだよな。あんまり比べるもんじゃないけれどさ、「今後10年は語られるべきメカデザイン」と「現実に半世紀以上語り継がれてきたメカデザイン」が激突したらどっちが勝つかなんてのは、比べるまでもないことですな。