読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ガールズ&パンツァーOVA「これが本当のアンツィオ戦です!」見てきました。

ブラーヴォ!ブラーヴァ!!(イタリア語)


「天然なフリをして実は周到に計算されている」実にガルパンの魅力はそこにこそあると考えていたのですが、まさしくそれを実証させるような作品でした。カトキハジメの絵コンテはまるでパズルのピースを埋めていくようにTVシリーズ第7話のラストシーンに繋がっていくと聞いてはいましたが、ただそれだけではなく。

正味30分ほどの映像でどこまでをメカ描写に、どこまでをキャラの描写に割り振るかという計算、その上でメカとキャラのひとつひとつのシーンがストーリー全般を構築していく計算、更に加えてTVでも転換点となった第7話の意味合いを、シリーズ全体のなかであらためて位置づけするという、いろんなことが計算されていました。

「リアルな戦車の挙動」というのがこのアニメの一般的な評価軸だろうとは思いますが、実際のところガルパンにおける戦車の魅せ方動かし方はリアルでもなんでもなく、むしろディフォルメーション重視でいかにして「巧妙にウソをつくか」にリソースが費やされています。このあたり今回のOVA劇場上映でパンフ買った人ならスタッフ対談読んでもらえば判るかとは思いますが、ひとつの大きなウソをつくために小さなホントをいくつも積み重ねる、そんな計算で作られた映像なのですね。

だからもし「リアルな戦車の挙動」が見られるとあらかじめ期待してガルパン本編見た方は、むしろリアリズムの欠如に失望されてしまったかも知れない。映像製作の軸線って必ずしも写実主義だけではないのですけれど、本来1から10まで虚構を構築するアニメーションに対しては、却って「リアル」を要求するイズムが蔓延するのもわからんでもないけどな。

計算というのも単に映像技術のテクニカルな面だけではなく、むしろストーリー構築の上でのアナログな職人芸に依って立つところがかなりある。「3DCGが進歩したからガルパン以後の戦車アニメは皆これぐらい面白くなる」などと考えるのは表層的な物の見方であって、テクニックだけでなくアートの方も押さえておかないと、何故ガルパンが面白くなっているのかそこんところのツボを見誤るように思います。


例えばキャスティングマネージメントの面でも「芸」の細かいところはいくつもあって、今回OVAのリリース前にアンツィオ高3人組のメインキャストが発表されたとき、カルパッチョ役に早見沙織さんが配されていたのにはちょっと驚き不安にもなりました。TVシリーズの配役方針で言えばここに名の知れた人を使うのは不自然だったのね。


 と こ ろ が だ 、


OVAを見終わってみれば非常に納得の行く配役でした。なぜカルパッチョ役に早見沙織を起用したかといえば、TVシリーズ7話でのアンツィオ戦の(わずか10秒足らずの)シーンになぜか大洗は三突だけが居なかった。なぜあの場面で三突が不在だったかといえばカルパッチョ役が早見沙織だったからだ…と、まさしくパズルのピースを埋めるためのキャスティングマネージメントだったのだなあという、芸の細かいところを見せてくれます。


それもこれもコミックフラッパーでの才谷屋龍一によるマンガ版があればこそで、あのオリジナル展開がなければここまで魅力的にお話を作ることは出来なかったんじゃないかな……

で、テレビシリーズ見てた頃に「もっとこんな感じのシーンを見てみたいなあ」なんて思ってたことが今回OVAでいくつか果たせました。高校生活といえば合宿と学園祭で、例えばアンツィオ高の日常風景が出店満載の「お祭り」みたいだったのは、TVシリーズ終了後のOVA製作という「お祭り」と合っていてよかったよな。モデルグラフィックス誌で開催された「MG的模型戦車道選手権」がアイデアの源泉になってたんじゃないか……というのはまあ贔屓の引き倒しではあるのですけどね。

とにもかくにも「ガールズ&パンツァー」に関わった全てのスタッフ、キャストの皆さんと本作を愛するあらゆる人々に敬意を評して、

                         ,. -‐==、、
             ,. ===、、 o   ○o.  i       :::ト、
           _,/      `ヾ´´`ヽ、 ゚ .l       :::ト、\
           //      .::::/  :::::!===l      :::|ス. ',
             /./       .::::/   ::::l    |  __ ..... _::::|} ヽ l-、
.           ,ィク ,'..__    .::::/    ::::l    :l '´    `)'`ヽ ヾ;\
       /::{゙ ヽ、 ``丶、;/‐‐- 、::::l     `'::┬‐--<_   } ./;:::::\
     /::::::::!   ,>---‐'゙ー- ...__)イ ,. -‐‐-、ト、   |l::ヽ /;';';';';::::\
.     /|::::::;';';'\/} (ヽ、  _/|   (´    _,.ィ!::ヽ.  ヾー'´;';';';';';';';';:: /ヽ、
   / ,ノ:::;';';';';';';';';'/  /ヽ、二ニ-イ   ヾT ¨´ ,/;';';::`、. \';';';';';';';';';';〈::...
. /  i::;';';';';';';';';';'/ ,イ.:::::::::::::::::: !    ヽ`ー‐'";';';';';';';ヽ   \';';';';';';';';';!::::: 

 今 度 は 劇 場 版 だ !