読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

米澤穂信 編「世界堂書店」

小説・ミステリ

世界堂書店 (文春文庫)

世界堂書店 (文春文庫)

著名な作家に作品選定させたアンソロジーというのもままありますが、好きな作家が編纂している場合は、「好きな作家の好きな作品」は往々にして波長が合うものです。タイトル通り世界の様々な国の作品が集められていて多国籍アンソロジーという感もあり。

基本は他社で刊行されている既訳を集めてきたものなので、既に読んだものもいくつか、底本自体既読だったものもあった。しかし既読作品も個人的に強く印象に残っていた作品が多くて、同じ作品を楽しんでいたというのは、ちょっと楽しい(笑)ヘレン・マクロイ「東洋趣味(シノワズリ)」は以前別訳を別題で読んでいた*1けれどもうん、原題に基づいたこっちのタイトルのほうがしっくり来ますね。この作品「趣味」の問題なのよね何事も。

初読の作品ではレーナ・クルーン「いっぷう変わった人々」、蒲松齢「連瑣」がよかった。どちらもハッピーエンドで、後者は実は「聊斎志異」に収められた作品で古典までも収録されていたのには、驚かされました。ヒュー・ウォルポール「トーランド家の長老」にあるブラックユーモア感覚*2シュテファン・ツヴァイク「昔の借りを返す話」の語り手の妙などはいかにも米沢穂信作品にありそうな風合いで、よねぽ好きなら読んで損はないよいアンソロです。

で、著名な作家に作品選定させたアンソロジーって往々にして「奇妙な味わい」作品集になりがちなのだけれど、この本のネタ元で国書刊行会率の高さは異常(わらい)

*1:http://d.hatena.ne.jp/abogard/20100722

*2:この単語を使用するにあたって人種差別的な意図はありません