ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ロバート・A・ハインライン「宇宙の孤児」

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

というわけで読んでみた、「ジェネレーションシップもの」の嚆矢。アイデアの源には「さまよえるオランダ人」伝説もあったりするのか、移民テーマというのもアメリカ人が好きそうな話だなあなどと思いつつ。

やっぱりねー、古いですよ。大昔にジュブナイルで読んで「頭が二つあるミュータント」が出てくるのはよく覚えていたけれど、完全版で読んでみるとその双頭ミュータントのジョウ=ジムがいちばん魅力的なキャラクターで・・・

というか、他には特に印象に残るような人物も無くて、やっぱりテーマ<だけ?>がすばらしい一本だったんだなぁ。

フォロワーが多く出たのもわかる気がする。骨子しかないような物語なのでいくらでもアレンジメントを考えつけそうなんだよな。「メガゾーン23」や「ゼーガペイン」もその子孫なのだろうけど、それらの元ネタだからってだけでは読まないほうがいいかもだ。なにしろ主人公が酷いし女性蔑視はとんでもないレベルだし。

「宇宙の戦士」や「月は無慈悲な夜の女王」よりも、ある意味よっぽど物騒なお話。