ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

キジ・ジョンスン「霧に橋を架ける」

霧に橋を架ける (創元海外SF叢書)

霧に橋を架ける (創元海外SF叢書)

面白かった。しかし何が面白かったのか、なかなか説明に困る。女性作家が書いた女性作家らしい思弁的なところが良かったのだけれど、果たして本当にそれが「女性的」なのかどうか、実はよく解らない。直前に読んでいた別の本が、女性作家による女性作家らしいところが合わなくて途中で挫折してしまったので、作品の好き嫌いというのはジェンダーには関係ないのだろうけれど。

異世界で土木をやる表題作がやはり一番良かったのだけれど、そこで描かれているのはなんだろう、橋を架けることではなくて、橋が架かることによって社会のいや個人の、生活やものの考え方が変わっていくことで、舞台が地球ではないこととか「霧」の特異な設定よりも、意識の変容がメインテーマであることがSFなのだろうなあ。橋が架かって意識が変わるって、別にSFでなくともよいのでしょうけれど、それでもやっぱりこのお話が成立させているのは、この作品がSFであることに依っている、そんな気がしました。

「スパー」という作品はもっとわかりやすくSFしていて、これは宇宙船の事故で異星人(人じゃないけど)の救命ボートに助けられた人間女性が異星人(人じゃなry)と密閉空間でひたすらファックするお話。セックスですらないのは相手の異星人(人ry)がアメーバ状の軟体生物でそもそも性別があるかどうかすら不明で意識の伝達も無くただただ目的も意味も無くディスコミュニケーションとしてフアックするお話です。

フムン。

SFは絵だねぇ(ここで言うな)

あーでも、「霧に橋を架ける」はアニメで見たくなりました。「蟲師」のスタッフならきっと綺麗な映像にしてくれるでしょうが、いくらなんでも無理筋だ・・・