ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ピエール・ルメートル「その女アレックス」

その女アレックス (文春文庫)

その女アレックス (文春文庫)

図書館を使っていると配架を間違えている資料というのも稀に目につくもので、それは職員の方ではなくて心無い利用者が適当な戻し方をしているせいだと思われる。気が付いたら直すようにはしているのだけれど、ハードカバーの外国小説の棚に一冊混じってた文庫を手に取ってみて、そういえばこれ評判よかったよなーと自分で借りだしたら正解大当たりで、大変面白かった。配架を間違えた人ありがとう(笑)

タイトルにもある通りヒロインの女性はアレックス、主人公はカミーユという名のオッサン、さらにヴィダール判事まで出てくるのでこれは事実上ガンダムと言えるミステリー小説。女性キャラクターが拉致監禁され緩慢な死を強要されていく冒頭からの流れは「特捜部Q ―檻の中の女―」*1を思い出すけれど、スピーディに容疑者が割れスピーディに容疑者が自殺し、スピーディに警察が監禁場所に向かうと被害者アレックスはスピーディに脱出していたのであった。

ここまで第一部。

第二部はネタバレを避けるために大胆に省略するとアレックスが手際よく料理するので事実上プリキュアアラモードと言える。かなり驚かされる。

そして第三部ですが、本当の犯罪はここから始まる。結論だけ行ってしまうと警察はあーいや、結論はナイショだ。面白いぞーーーーー!

カミーユ警部の二人の部下、裕福でお洒落なルイとケチでタカリ気質なアルマンとの描写も面白い。実はシリーズものの第2作が先に訳出され先行作品に言及しているところも少なからずあり、やや違和感を覚えるところもあるのですが、現在はみな翻訳されているようですね。順番に読むのもいいかなと思います。