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ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

土屋健「エディアカラ紀・カンブリア紀の生物」

古生物学の黒い本、最初の一冊。このあたりの知識はまーずいぶんアップデートしてなかったので興味深く読めました。最後に接したのはたしか美少女ゲームになったときか。「カンブリア爆発」みたいな単語も時々聞いてはいたけれど「エディアカラ紀」という言葉はたぶん今回はじめて接したかと思います。

この時代の生き物というのはやはり異質で、五つの目を持つオパビニアや「這い回る胃」と称されるハーペトガスターを見てクトルゥフだのラヴクラフト的だのというような要素で楽しんで読んでも良いのでしょう。しかしどれほど現生の生物と異なって見えるからとは言え、この時代の様々な生き物たちは確かに現代の生物系や環境と繋がっている存在なので、例えばただ1人(いや2人か)の人間が空想ででっちあげた「ドラえもん」よりは、バージェス頁岩のなかで化石になってたアノマロカリスの方がより人類に近しい存在だと言えるので美少女化するのも自然な成り行きなのかもしれない。いや待ってその理屈はなにかがおかしいよ。

一見すると異質に見えても、実は我々とは連続性がある存在なのだという意味では「狂気山脈」に登場する「古えのもの」と人類の関係に似ているのかも知れない。そういう意味ではこの時代の生物を「ラヴクラフト的」とするのも悪くないなと、まーそんなこと考える本でも無いんですけれど、そんなことを考えながら読んでいた。読んでいたら丁度世界最古の化石が発見なんてニュースが飛び込んできてこの分野もこの先どんどん書き加えられていくのでしょうね。

いまはまだ漠然としてる「原始生命の時代」も、この先もっと研究が進めば新しい(そして古い)紀が生まれてくるのかも知れない。それはきっと素晴らしいことなのです。