ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

池澤春菜「はじめましての中国茶」

はじめましての中国茶

はじめましての中国茶

池澤春菜はガチ。

うん、まあお料理の本ではないんだけどね。お茶の本だ。お茶の、中国茶についての、ではどんな本なんだと言われると説明に困るな。

だからこの本は、お茶の教科書ではなく、お茶の入門書でもなく、お茶が好きな人がお茶のいいところや面白いところをわいわいお伝えしている感じです。

もとは「WEB本の雑誌」の連載コラムなんだけれど、何事にも真摯な著者の姿勢が本書にも現れています。お茶の歴史や様々な種類の中国茶葉、飲み方の作法や歴史上の著名人物、現代中国での政府公認資格制度などなど、話は多岐な方向性に、そしてどれも真摯な角度で深めていく。中国茶に合うお茶菓子のレシピや飲み方の作法などはカラーの撮りおろし写真を交えて連載よりもずっと華やかな内容、巻末の対談ページにも興味深い発言がいくつも載っています。

実はWebの連載はややとっつきにくさを感じて途中で読まなくなってしまったのだけれど、こうして一冊にまとまればはるかに読みやすい。それは確かだなあ…

冒頭のページに「お茶とは、カメリア・シネンシスである。」とあってなるほどスール(姉妹)か。という気づきからページを手繰り始めて非常にすんなり読めたというのもあるのですが。

やあ、オタクって便利な生き物ですね。