ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

シーラン・ジェイ・ジャオ「天空龍機 鋼鉄紅女2」

悪役令嬢巨大ロボ中華SF第二弾、前作の感想はこちらに。上下巻にボリュームアップした続編で、話のスケールも広がります。前巻のラストが割と怒涛なクリフハンガーだったので、冒頭に「あらすじ」乗せてくれる親切さは良いな。前巻ラストで復活した200年前のスーパー皇帝ロボパイロット秦政(始皇帝ですね)が、権力を握るやスーパー共産主義体制をブチ立て全土に檄を飛ばしてそのまま吐血して倒れる。とかいろいろ全開である。結婚式で二人が携えるのが鎌とハンマーとかガンギマリが過ぎるw おまけにスーパー共産主義かしこい没落令嬢メイドとスーパー資本主義万能経理お姉さんの百合カップルとかも出てくる。いろいろ全開である。

その秦政皇帝と政治的に婚姻し皇后となった則天(則天武后だ)との複雑な人間模様がいちばんの読みどころ、でしょうか。愛でもないし打算でもなく、何故惹かれ合うのかといえばやはりお互いに通ったところがあるからか。この辺は読者のほうの性別やジェンダー観の差で意見が分かれるところがありそう。

日本のロボアニメの影響というのは随所にみられて、巨大ロボ霊蛹機がなぜ人型を取るのか、何故伝説上の神々の形となるのか、そこの理屈の立て方であるとか、ロボ同士がチャンバラ戦闘しながらパイロットは政治的対立の議論するとか日本のアニメみたいでわはーってなる(しかもこれ内戦の最中である。富野アニメか)

遥か宇宙空間に位置する「天庭」に住まう神々を打倒するためにそこまで行ってみたら、住んでいたのは神様どころかひょろい人間だったのいうのはなんかガリアンだなこれうむ。原始的世界に直接干渉することは禁じられているって確かにガリアンだなこれ。

中国系作家だなと感じるところは随所にあって、例えば「革命」を描けばそれは「文化大革命」を色濃く反映するものになるし、男性囚人をパイロットに使うというのはよくあることだけれど、去勢して「宦官」にするというのは、中国系作家以外の人間がやるとだいぶ批判されるんじゃないだろうか。

「人民のための独裁革命政治体制」みたいなのは結局失敗するんだろうなあと思って読み進めていく自分の方がむしろ日本人的な先入観の虜であるのかもしれません。なんだかんだでうまく落着しちゃうのは、それの中国系作家ならではなのかな?でもこの人成都のワールドコンじゃハブられた側だったそうで。

しかし高易之くんの舌は何枚あるのだ。ここまで裏切り仮面なキャラも珍しいぞ(´・ω・`)

T・キングフィッシャー「死者を動かすもの」

「パン焼き魔法のモーナ、街を救う」のひと。ダークネスな作風もあると聞いてたけれど、がっつりホラーも書いてたんですね。本書はポーの「アッシャー家の崩壊」をオマージュする作品なんだけど、考えてみるとアッシャー家というのは他の作家によるオマージュばかり読んでて*1、オリジナルは未読かも知れない。読了後wikiを見てみたら概ね原典と同じような時代設定、ストーリー展開をしていたようですね。原典と大きく異なるのは舞台となる館が建っているのがアメリカではなくヨーロッパの架空の国家をルヴィニアで、これは架空国家を舞台にする冒険物語「ルリタニアン・ロマンス」の体裁を取っているのだそう。昔田中芳樹が「アップルフェルラント物語」をやってた、アレですね。

主人公のイーストンもやはり架空国家ガラシアの退役軍人であって、この国は軍事制度とジェンダーロールの関係に特徴があり、兵役に就いたものは男でも女でもない独特の代名詞を用いて(ちなみにガラシア語には代名詞が7つあるらしい。多いんだか少ないんだかわからん)会話をする……そうなんだけど、翻訳は当然日本語だし原著は、そっちはどうなんだろう?基本は英語で書かれているんだろうけれど性別を明示しないような書き方にはなっているのかな?とはいえ、この設定がお話に効果を発揮しているかと言えば、ちょっと疑問だったりもします。

著者あとがきによると「アッシャー家の崩壊」に原因・理由を与えたかったらしいんだけれど、不条理文学にそれをやって果たして怖さが増すのかしらん。なにしろその、狂気と変貌と死と、死してなお動く遺体という怪異の原因が

 

_人人人人人人人人_
> キノコでした <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 

というのは、うーん(´・ω・`)

*1:たしかブラッドベリと梶尾真治は読んだ記憶がある。

「機動警察パトレイバーEZY第1話『トレンドは#第二小隊』」見てきました。

吉祥寺で行われた第4回アニムサ祭の先行上映にて。武蔵野公会堂の中に入るのも30年以上経ってるなあ。アニメの公式はこちら。

 

生まれて初めて買ったLDはいわゆるアーリーデイズの1巻なんだけど、まさか40年近く経って地元で動くパトレイバーなんてものを見られるとは思わなかったのでだいぶアガる。イングラムや指揮車は昔のイメージだけど、パトカーなんかだいぶ未来的で、でも背景となる街並みは2026年そのまんまという、少し不思議な感覚ではある2030年代の東京。

上映後のトークショー出渕裕監督が意図的にスタンダードなものを目指した。ということでいかにもパトレイバーなお話でした。すんなり世界に馴染む入りやすさを感じますね。警察の普通からはちょっと外れた第二小隊、レイバー犯罪とそれを取り締まるパトレイバー。謎の?「暴走」と人情ぽいオチで締める構成の、いかにもこれはパトレイバーだな。とはいえ、それは最初の一本だけで後は番外編的な話が多いということなので、やはりアーリーデイズのような作品になるんでしょうかね。そういえば浜松町時代のワンフェスでも先行上映やったな。あれ4話だったかな。

キャラクターデザインにやや淡白な印象を受けてたんだけれど、いざ実際に動いて声が出れば、みな個性的で楽しいキャラでした。ハチクマちゃん可愛い。とわっちはどうも野亜というより太田よりなキャラらしい。乱暴なすみぺよきよき。それと、まだサイトには載っていない特車二課のメンバーとか、モブキャラはわりかし昔のパトレイバーというか、マンガっぽいキャラデザインが多い。

レイバーは今回出てきたのがヘラクレスパワードだったか、あの系統です。PVに出てきたヘルダイバーはまだ未登場。基本は旧作のラインで行くと思うんだけど、自立型ロボットってどんなんだ?

あと「敵」はいるんだろうか?自衛隊クーデターはやらんだろうし香港を基盤とした国際企業というのもアレだし。やはり油断すると出てくる怪獣だろうか(´・ω・`)

2時間前から並んだんで最前列で初めて生すみぺも見られたしで、よいイベントでありました。5月の公開に期待せよ!キタイセヨ!(裏声)と、いったところか……

アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」(上下)

 

 

単行本刊行以来あまりに話題沸騰となった一本。いささか天邪鬼なところがあってここまで話題になると却って読むのを控える質なんだけど(だから「ハイペリオン」も「三体」も読んでないのです)、こちらは映画化を前に文庫になったのでようやく読んでみました。以下ネタバレありです

続きを読む

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」見てきました。

公式。 えっとね、ガルパンらぶらぶと同じ日に見るもんじゃないと思うの。温度差が激しすぎるの(´・ω・`)

 

なお前回の感想はこちらに

abogard.hatenadiary.jp

続きを読む

「ガールズ&パンツァー もっとらぶらぶ大作戦です!第2幕」見てきました

公式。

わちゃわちゃしてました。まーだいたい前とおんなじではあるがやってることは違う。やってることは違うがまーだいたい前とおんなじである。

プラウダ回があったのはよかった。エリカさんの私服かわいい。

そういう、本編ではやれなかった掘り下げをやっているのはよくわかる。ガルパンは本編が供給されない幕間を二次創作が埋めて行ったのも確かだ。

だからなおのこと、これもっと早くやってもよかったんじゃないかな、とは思います。

次は3月か。

そーいや大学選抜のメグミさんの中の人は変わっていたな。前回は……

ああ、前回は出てなかったんだ。

橋本陽介「物語論 基礎と応用」

昨年末に一度図書館で借りて読んで、やはり手元に置いておきたいなと思い購入。タイトル通り物語の、主に構造についての論なのだけれど、個人的には日本語表現上の視点と語り手や話法についての章が面白かった。

自由、自由でありたいなあ文章はさ。本格ミステリーや警察小説は視点の固定が重視されるのかも知れないけれどね。