- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2007/04
- メディア: 文庫
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タイトル通り全編が問答で描かれ、「三人の盲人と象」のように事件の概要がおぼろげながら見えてくる…そんな話では、実はない。描出されるのはもっと別の事柄で、闇(や)んでいる人々や、社会だったりするのだろう。連作短編怪談のような構成でもあるQ&Aから明確なモノゴトは紡がれず、ぼんやりした不安が充満する世界。文庫解説(建築家森川嘉一郎による)はオウム事件やブログやバトンなど現代ネット社会と絡めたまあ、しごく真っ当な解説*2である。
直接関係ないことだが、日頃から問いかけを繰り返す手合いには注意した方が良いと思われる。「質問攻め」という言葉があるが別段職務上の義務でも何でもなく、空気のように「質問しかしない」ことは戦術としては有効だからだ。なんの戦術だ。
多分我々は誰かに責任を負って欲しいのだ。なんだかわからないモノゴトや、ぼんやりした不安などにね。