- 作者: 今日泊亜蘭
- 出版社/メーカー: 出版芸術社
- 発売日: 2003/07
- メディア: 単行本
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今日泊亜蘭の著作を始めて読んだのは子供の頃図書館で手にした「怪獣大陸」(鶴書房・SFベストセラーズ版)だと思う。このSFベストセラーズというのは面白いジュブナイルSFが随分在って、筒井康隆「時をかける少女」もこの叢書で読んだなあ…
日本SF界を代表する大御所、という印象を持っていたのだけれど本書を読んでいろいろ改めさせられる。コメディタッチの和風ファンタジーや綺麗な幻想小説など、繚乱。特に後者は大正時代が舞台なんだけど江戸情緒のような感を受けるのは何故だろうな。矢張り文体か。野田昌宏といいどうもこの、ある年代より上の世代の方々のフランクな、あるいはべらんめいな??日本語は本当に面白いなあ…
今日泊亜蘭翁のイメージって野田昌宏の「レモン月夜の宇宙船」だったか、深山洋館に身を潜める洋風の仙人みたいなものすごいSF者って感じがあって…
ふたりとも飛んで行ってしまった、合掌。
余談。
本書に採録されてる「死を蒔く男」ってミステリーは謎の連続人間消失事件が科学知識を悪用した連続人間溶解事件へと発展し、警察に協力する顧問的人物によって解決される話なんだけど、科学捜査官的なそのキャラが「素人探偵の牧」なる人物でこれひょっとして「怪奇大作戦」なのかな??