- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/03/13
- メディア: 単行本
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まあパロディ…なのか。剽窃ではなし本歌取り…でもないか。なにかもっと上手い日本語が有った様に思うのだが。リスペクトとかオマージュって上手い翻訳がないよなぁ。「インスパイア」の訳語が俗語としては「盗作」になってしまったのは笑うところなのか*1
五編収録され、どれも面白い。例えば表題作は一見すると原典とは全く違うようで…
「あいつは戻らんぜ」
「そんなわけあるもんか。約束したんだ。姉さんの結婚式が済めば、帰ってくるさ」
「あいつに姉はいないよ」
芹名は傲然と言い放った。
長官は唖然とした
(略)
怒り狂う長官をよそに、芹名は悠然と珈琲をすすった。
「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」
メロスならぬ芽野(めの)青年が約束を破るべく全力で逃げ回る抱腹絶倒のコメディに新釈されるのだが、最終的には三人とも大のなかよしにあ、なんだ同じジャン!と、基本的にはそーゆー話です。
個人的には「山月記」がベスト。己の信じるべきことを信じる、ただそれだけのことが人に蹉跌を与え挫折を促す。特に何事も無くただ自意識だけで人生に脱落していく主人公*2はまるで「秒速5センチメートル」のようだ!男しか出てこないような!!ごめん今オレちょっとウソついた!!!
なんだろ、泣ける話だよこれは…自我を持ち建設的に生きようとする全ての老若男女にお勧めなのである。
高校んとき文芸部の冊子に「山get's記」ってパロディ載ってて、あれは楽しかったな。書いた人いまどーしてんだろーなー(シラネーヨ)