- 作者: 神野淳一,成瀬裕司
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2003/04
- メディア: 文庫
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ボールトンポール・デファイアント戦闘機が登場するライトノベルとして一部の好事家の間では伝説的に語られるライトノベル。ファンタジー的異世界を舞台に複座戦闘機の後席に魔法少女のおにゃのこ乗せて、後のストーリー展開は基本的にバトル・オブ・ブリテンと同じとゆー思い切りの良さに作者の漢(ヲトコ)を見た思いだ…
しかし、こんな濃ゆい設定の作品をよくもまあ新人賞*1に送れたものでその点感服致します。あんたすごいよ…m(_ _)m 空戦描写なんかは「とある飛空士のへの追憶」*2より実感の湧くものである。とはいえこれって「デファイアントで昼間出撃してBf109を迎撃する」ってことがどれほど自殺的行為なのか判ってないと共感し難いものでは…ある。だが、それが良い。
キャラクターの描写、お話は(これがデビュー作であるという事を差し引いても)薄いかなぁと考える。あえてこの薄甘いラヴ・ストーリィを、どちらか一方の死で憂鬱なエンディングにすれば良かったのではないか…などと考えるのは早計かな?
ともあれ、面白かった。なにより「戦闘機は盾、爆撃機こそが矛」ということを簡潔ながらに書いていたことが良かった。空軍力ってそういうものだよな。ああ、矢張りヒコーキ小説は良いねえ。これが陸戦で、搭乗機が九四式軽装甲車だったらどうかなぁとか思ったんだけど、やっぱ陸戦じゃあこうは行かないんだろーなー