ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

R・キャンベル編 S・キング他「新編真ク・リトル・リトル神話大系 6」

新編 真ク・リトル・リトル神話大系〈6〉

新編 真ク・リトル・リトル神話大系〈6〉

今巻ならびに次の第7巻はラムゼイ・キャンベルによって編纂されたアンソロジー「New Tales of the Cthulhu Mythos」の翻訳となる(1980年刊行)「新クトゥルー神話」と謳っているだけあってこれまでとは随分作風の異なる作品が収録されていて、連綿と続く世界初のシェアードワールド小説群の歴史と変容を感じさせるものだな真クリは。スティーブン・キングの「クラウチ・エンドの怪」は実にキングらしいモダンホラーで、作中に「マクドナルド」が出てきたクトゥルー作品なんてこれが初めてじゃないかしら。しかもここ重要ですが「クラウチ・エンドの怪」はクトゥルー作品にしては珍しく普通に怖い怪談なのである。流石だ…*1

ブライアン・ラムレイの「木乃伊の手」は御大が読んだら卒倒しそうなほどエロティック*2な艶話で如何にも現代的。といっても20年以上むかしなんだがw

フランク・ベルナップ・ロングの「暗黒の復活」は同時期に書かれたロバート・ブロックの「アーカム計画」同様HPL著作をメタ・フィクション的に扱う内容で、同じ頃に両ベテラン作家が同じようなものを書いていたのはなにか関連があるのだろうか?互いにエールを送っているかのようで読んでて楽しいものである。

でも本当に好きなのはベイジル・コッパーの「シャフト・ナンバー247」でこれ決して怖くもないし面白くもないしそもそも何がクトゥルーなんだかさっぱりわからないよーな話なんだけど、なぜか好きなんだよなー

いやほら昔テレ東がお昼過ぎによくやってたつまんねー不条理SF映画みたいで、たまらんww

*1:正直クトゥルー神話作品を読んで「怖い」と感じたことは余り無い。ほとんどは「面白い」なのだ

*2:どれぐらいエロいかと言うと主人公が行きずりに出会った女性を車に乗せて助手席に手を伸ばし、あまつさえお洋服の胸元の中のちちち乳房をまさぐりきゃーそんな破廉恥なもの御大にはとても書けませんッ><