R.E.ハワード他 中村融編「不死鳥の剣」

不死鳥の剣―剣と魔法の物語傑作選 (河出文庫)

これは拾い物だなーと思わされた「剣と魔法」のヒロイックファンタジー短篇アンソロジー。ミステリーやＳＦ、ホラー小説でもアンソロ本はあるけれど、洋物ＦＴって珍しい。初めて読んだ気がする。

この手の小説は昔ずいぶん読んだもので、大抵の場合ＲＰＧのルールブックとか解説記事で紹介されたキャラクターなり作品なりを、後々手にとって実際に読むパターンが多くて、それでもこれまで未読だったジャック・ヴァンスの「切れ者キューゲル」をようやく読むことが出来た。成る程こんなヤツだったのか〜。

コナンのハワードやエルリックのムアコックといったメジャーどころから本邦初訳となるニッツイアン・ダイアリス（採録されてる「サファイアの女神」はものすごく面白い）など様々な作品の、未だジャンルとして未分化な「パルプ・フィクション」らしさから段々と変化していく様を巻末開設も含めて知ることが出来るような、そんな一冊か。個人的にはマイベスト「剣と魔法」小説であるところのファファード＆グレイ・マウザーが入っているのでそれで万事ＯＫです。

例えば「D&D」以降のゲームやルールが存在する上でのヒロイックファンタジー小説集などがあれば対比できて面白いのかな、とも思う。