ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ロバート・E・ハワード「黒の碑」

黒の碑(いしぶみ)―クトゥルー神話譚 (創元推理文庫)

黒の碑(いしぶみ)―クトゥルー神話譚 (創元推理文庫)

これも久し振りに再読。数年前に復刊してるんで比較的手に入れ易いかと思われる。そのときは既読だったこともあり特に手を出さなかったけれども、やっぱり読み直すと面白いなあ。「コナン」シリーズのイメージが強いハワードのクトゥルフ神話諸作品はなるほど確かにラヴクラフトとは違っていて、視点人物がガクブルしながら日記つけて失踪したりはしないもので。惰弱な人類とはいえ心情的にはタフネスを備え、どこかしら(古きよきアメリカ的に)善良な人物像は読んでいて好感が持てる。

解説で触れていることといささか重複するのだけれど、思うにハワードは「クトゥルフ作品」を書いたのではなくて、確固として存在する「自分の作品」にクトゥルフ神話のテイストを上手く乗せたのだろうなーと、そんなことを考えた。拳銃一発で倒される怪物ってのも、どうかと思うんだけどさw

「われ、埋葬にあたわず」「鳩は地獄から来る」の二本は何より邦題が格好良いなあと、それは特筆してしかるべきかと。