ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

桜坂洋「スラムオンライン」

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

スラムオンライン (ハヤカワ文庫 JA (800))

ALL YOU NEED IS KILL」を読んだ後に*1何度か手にとって読もうと考えていたのだけれども、気がついたらずいぶん経っていたのだった。

SF…かなぁ。架空のコンピューターゲームというテクノロジーを扱っている小説なので空想科学小説、で良いか。ずいぶん乱暴だな。ホントは純文にしたいなあ。じゃあやれよって話だけどな(笑)

ゲーム小説といってもゲームを小説化したものではなくてゲームをプレイしている人間・状況を描いた普通小説で、なんかスゴく映像で見たくなった。「きらりんレボリューション」の三期とかナントカ委員長みたいな3DCGアニメの声にあわせて画面に吹き出しが表示されたら面白いだろーなーとか、そんなイメージ。*2

もっとも自分はゲームをあんまりやらないし、対戦格闘ゲームに到ってはもう一切合切全くやらない*3ので、オン/オフラインに関わらずゲームをやって「勝利する」感覚をつかめて読めたかと言えば疑問かもしれない。スト2全盛の頃「神保町1のダルシム遣い」だったような人ならまた別の読後感を持つのだろうな。自分自身はなんだろう、コミュニケーションは克己心だ、みたいなところが面白かった。

「忍者は嘘をつかぬでござる。拙者の住居は北海道ゆえ」

この件とか、なんかもうタマランw 工エエェェ(´д`)ェェエエ工 って感じww

インターネットは相互通信でモニターの向こうにはひとがいます、と言われても(只今この文章を読まれている方々には大変申し訳ないことだが)やっぱり自分が見ているものはキーボードと画面であって、モニターの向こう側を見遣ればそこには


ただ部屋の壁があるだけなのです。


もうちょっとストーリー展開が激しくボリュームもあったら逆「電車男」のような物語になったかも知れないなあ、などと思いまた直接関係はないのだけれど改めて今、作家伊藤計劃氏の早すぎる死を悼むのです。とても、残念に思います…

*1:http://d.hatena.ne.jp/abogard/20051019

*2:ものすごくウザい画面構成になって実況スレには怨嗟の声が溢れると思うが

*3:エドモンド本田とベルグドルが消えたときに俺の格ゲー歴も終わった