まさかのDVD化。
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: DVD
- 購入: 5人 クリック: 54回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
ちなみに原作はこっち
スローターハウス5 (ハヤカワ文庫SF ウ 4-3) (ハヤカワ文庫 SF 302)
- 作者: カート・ヴォネガット・ジュニア,和田誠,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1978/12/31
- メディア: 文庫
- 購入: 26人 クリック: 894回
- この商品を含むブログ (236件) を見る
非常によく出来ていて、実際面白かったんだけど、何も知らない人が見たら訳がわからんだろうなーと。当時の宣伝チラシが縮小版で入ってて(同時上映が「アメリカン・グラフィティ」だった。なんて時代だ…)ストーリーの粗筋が最初から最後まで全部説明されててそれはちょっと驚いた。「2001年宇宙の旅」の直後、「惑星ソラリス」と同時期なんでSF映画=難解とか、そんなイメージだったのかな…
不満もなくはない。原作で一番好きなのは第一章なんだけど、映画ではこのパートは丸ごと削除されている。もっとも第一章というのは物語とは関係ない著者本人の述懐なので無くなっても仕方ない…かなぁ。本文でも度々挿入されるメタ視点的なヴォネガットの視座がごっそり無いので、それが好きな身としてはどうもね。結果として原作では全編を覆っていたシニシズムが相当薄まって、映画はなんだかハッピーなエンディングに。なんだかフクザツ。「そういうものだ(so it goes.)」も無いんだぜ。
そうそう、チェコのOT-810ハーフトラックがほぼオリジナルで登場するのは今となっては貴重かもしれない。
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Denei/5523/USA/1970-SLAUGHTERHOUSE-FIVE/index.html
現在では放出されたOT-810はほとんどがマニアの手によってSdkfz251に「先祖返り改造」されちゃったらしいので。
それと1シーン、「母なる夜」の主人公ハワード・キャンベル・Jrが出てきて爆笑させてくれるのである。ここは是非とも「マザーナイト」もDVD化してほしいものであります。