- 作者: クレイトン・ロースン,フレドリック・ブラウン,ジョン・D・マクドナルド,ジョルジュ・シムノン,他,早川書房編集部
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/12/10
- メディア: 新書
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「伝説の名アンソロジーが、ここに復活!!」と惹句にあるが、恥ずかしながら寡聞にして存じ上げない。解説を読んでみるとそもそも1972年に発行された「世界ミステリ全集」全18巻の最終巻、「37の短編集」として編纂された一冊から、現在他の書籍で読める作品を外してここでしか読めない傑作14編を揃えた短編集ということだそうな。結果実力派が多く揃った執筆陣の、当代なかなか目に出来ない、レアな作品集になっているという、極めて美味しそうな本であります。活字は食べ物です。
中にはもちろん知らない人もいてフランク・R・ストックトンって誰ですかそれの世界だけど、リドル・ストーリーの傑作として名高い「女か虎か」の作者なんであります!おおぅ不勉強だなおれ。北村薫の紹介とか高橋葉介のマンガでアレンジなんかでは見たことあっても、オリジナルを読むのはこれが初めて。
シリーズ物の一作品も多く収録されていてジョルジュ・シムノン「殺し屋」はこれ読んではじめて気がついたけれどメグレ警部ものでした。おおぅ人生初メグレ。エドガー・ライス・バロウズ「ジャングル探偵ターザン」はこれ読む前から既に気がついてたけどターザンものでした。おおぅ人生初ターザン。
ターザンって探偵やるのか。
結論から申し上げるとターザンも探偵やります。
群れから奪われた一頭の雌を奪還すべく、ただひたすら臭いと行跡を頼りに逃げ去った類人猿を追跡…ってそれ探偵じゃなくて単なる警察犬だよ!!
すげぇなターザン。
ときどき盗まれる雌を探しに出かけるなど、今までだれも考えたことがなかった。もしヌマなり、サボルなり、シェスタなり、よそ者の放浪雄類人猿がだれも見ていないときに娘なり女房なりをさらい出してしまえば、それで一巻の終わりだった――
(略)
今まで、ターザンは、盗まれた雌には興味を持っていなかったせいもあって、この慣習を大目に見ていた。しかしチーカはかれの初恋の相手であり、チーカの子猿はかれの心の中で特別の価値を持っていた。
>初恋の相手
>初恋の相手
>初恋の相手
ターザンすげぇ(;゚д゚)