ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

エドガー・アラン・ポー「モルグ街の殺人・黄金虫」

モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)

モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集〈2〉ミステリ編 (新潮文庫)

古典中の古典を、たまにはちゃんと読み返そうと思って。図書館の棚にいくつか複数の版元から刊行された文庫が並んでいたけれど、生誕200年を記念した新訳(巽孝之による)を選んでみる。成る程読みやすい文章だナーと思う一方で、

デュパンがこの局面でこういう言い方をするのは不謹慎な印象もあったが、あえてツッコミは入れなかった)

など、あまりに現代風な文章に若干戸惑いを覚えたのも確かだ。それなりに旧さや格調を求めても良いんじゃないかなー、ホームズとかはどうなんだろう?「忍耐だ、忍耐だよワトソン」とか良かったんですけど。

以下表題作にもなっている「モルグ街の殺人」について物語の核心に触れる記述があります。「モルグ街の殺人」の犯人を知らない・知りたくない・ネタバレ、カッコ悪いってヒトは続きを読まない方がよいです。



犯人はサル。


って確かにビックリする解決だけど、当時のひとはそれでよかったんだろうか。ルールもフェアも十戒も二十則も未だ生まれザル時代ではありますが…と、現代の眼で見てはあんまり良かぁないんでしょうけど、生前のポーが作家として決して売れてたわけではないという史実を鑑みるに、せめて「犯人はヤス」ぐらいに…しておけばなーと。

「ホップフロッグ」は初読の一編。芥川の「地獄変」みたいな趣を感じて大変楽しく読めました。そしてポー先生どんだけオランウータン好きなんだよとw