ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

三島浩司「ダイナミックフィギュア」(上)

ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

ダイナミックフィギュア〈上〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)

近未来の日本を舞台に人類と異星生命体との戦いを描いた巨大ロボット小説。

いや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、ビックリするほどエヴァフォロワーでしたよ?いっそ清々しいぐらいだ。前提を広げて設定を積み上げ、組織を構成して秘密を持たせてあとなんだろう、とにかく「活字」で攻めてる気はしますな。群像劇というか多像劇なキャラクターたちも708ある経絡秘孔テンプレート・キャラクターズの引き出しから出てきたみたいで、どこか懐かしささえ感じる。いまで言うところの「トランザムバースト空間」のように人々の意思がシームレスに行き交う場の設定があって、むしろダダ漏れになる思推は人同士を忌避させるマイナス要因だって扱いは良いと思います。実にイマドキです。

パクリとかパロディとかパスティーシュとかオマージュではなくて、だ。


これはたぶんぼくらの伝統で、ぼくらの文化だ。ぼくらは遥かな未来まで、これを持っていくことだろう。

父を失くし「父親」も失くし恋人にも去られた主人公が、さて下巻ではどうなることやら。