ダイナミックフィギュア〈下〉 (ハヤカワSFシリーズ―Jコレクション)
- 作者: 三島浩司,加藤直之
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/02/25
- メディア: 単行本
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愚にもつかないことでも記録しておこうと思いなおし、改稿を試みる。
新書版で上下2冊の2段組み合計800ページという結構なボリュームが、ある程度現実味を帯びてロボットを動かす為には必要だったと、そういうことだろうか。言葉は重厚に語りかけ、長大な光景を想起させる。想像力を喚起させる。それはとても楽しいことだな。エヴァンゲリオンやガオガイガー辺りからモニター画像と警告文字という演出は随分と多用されることになったけど、あれはやっぱり楽しいから、なのか。想像力を歓喜させるからなのか。ツイッターのアイコンに「節電中」「ヤシマ作戦継続中」と文字列が上乗せされていれば喚起された想像力は歓喜する。そのようなものだな。
非常にロボットアニメ的な設定・ストーリーを持っているにも関わらず、本作の魅力はやはり活字に淫することにあるだろうと考える訳で、もし万が一映像化されても上手くはいかないだろうなと考える。SFマガジンでコミック化されでもしたら目も当てられなかろう。
やはり文字を追い言葉を読み、自分の内側で物語りを再構築する。それこそが本を読む楽しさであって、なにかこう、脳内に変な汁をどくどく注ぎこまれるような快感なのだ。
おそらくこの作品を読んだ人の多くがベストに上げるシーンは下巻268ページからの安並風歌が指揮を執る場面だろう。「ダイナミックにフィギュアせよ!」はけだし名言だなぁと思う。