ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

初野晴「空想オルガン」

空想オルガン

空想オルガン

ハルとチカのシリーズ、三巻目。今回冒頭が成長した主人公の回想モノローグから始まったのでいよいよ最終巻かと思いきやそんなことは無かった(苦笑)高校二年の夏を中心に吹奏楽部が地区予選→県予選→東海地方大会へとコマを進めていく過程から「連作物」度合いは増し、巻末の表題作で実は…と、ひとつどんでん返しがある構造。しかしその短編「空想オルガン」自体は最早謎解きでもなんでもないような気がするし、シリーズ開幕当初ほどハルが探偵役と言う訳でも無し。ある種のクライムノベルではあるのだけれど。

もっと音楽の知識があれば吹奏楽のタームも楽しめるんだろうな。先日「スコット・ピルグリム」見たときも、もっとバンド知識とかあればよかったなーとか思ったもんです。

このシリーズ最大の謎は顧問の草壁先生なんだろうけれど、なんとはなし悲劇になりそうな予感がしますね。