- 作者: 恩田陸,nakaban
- 出版社/メーカー: 晶文社
- 発売日: 2010/08/07
- メディア: 単行本
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恩田陸の最高傑作は「夜のピクニック」asin:4101234175だと思うけれども、個人的にいちばん好きなのはやっぱりデビュー作の「六番目の小夜子」asin:4101234132である。デビュー当初は出るもの出るもの片端から全部読んでいて、いまでも折にふれて読む作家のひとりではあるけれどそこまで入れ込んではいない。もちっとハッキリ書いてしまうと近年の作品はそれほど面白くは、ない。そこで小説以外ならどうだろうと手に取ってみた一冊。エッセイ集と言って良いのか、晶文社のサイトに掲載された雑文や様々な作家の文庫本に寄せた解説、漫画や映画・音楽などに関する考察も含む。
やっぱり巧い人だなぁと、思います。楽しいことを書くのに本当に楽しそうなことを書く。含蓄のあることを書くのに本当に含蓄がありそうに書く。ウソ臭くないような。それは真摯にウソをつくようなことでもあるのかな。
少女マンガの進捗と読書体験が濃密に語られていて読む人が読んだら首肯したり反駁したりで色々なんだろうなぁと思わされる反面、自分にとっては人類誕生以前の旧支配者による世界史を眺めているようでチンプンカンプン(呪文)ではある。*1
少女マンガから学んだことのひとつとして連載に於ける「引き」のテクニックが挙げられている。それ自体はよくある作劇作法だけれど、恩田陸という人も確かに「引き」の巧い作家なのでその点実に、重みがあります。
出来れば「まとめ方」も学んでほしかっtげふんげふん
「土曜日は灰色の馬」というタイトルは実によいなぁと思うのだけれど、このフレーズ自体は作者のストック集から持ってきたもので内容とは一切関わりが無い(笑)