ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

メフィスト編集部・編「忍び寄る闇の奇譚」

メフィストに掲載された短編を集めた「メフィスト道場」の1。SF・ホラー・都市伝説と3つのテーマでそれぞれ2人の作家による計6本の短編を収録しているけど、なんの道場なのかはひとつも説明されていない(笑)

北山猛邦「恋煩い」が抜群に面白い。都市伝説テーマで「恋は盲目」というあまりに普遍的な主題を、短い分量の中でも効果的に伏線を配置し(ブラフ的なキャラまでいる)、巧妙かつ衝撃的なラストで切れ味鋭く終わらせる短編ミステリーのお手本みたいな内容です。

それに比べると他はちょっと見劣りするかな…初野晴「トワイライトミュージアム」はこれ後に長編になったやつ*1の冒頭部分なんであまりに唐突且つ無意味に終わってしまうし、はやみねかおるの「少年名探偵WHO 透明人間事件」もその類らしくてどうも消化不良気味。名前を上げない他の三作は謎とき以前に作品内のモロモロの状況に瑕疵を感じて話にノレなかった…

まあ、いくら密室状況をつくるためとはいえ「内側からしか鍵のかからない、窓には格子のある部屋」を高校の合宿所内に設定するのはどうかとか、そーゆー枝葉末節的な言いがかりなんだけどね。