ひとりのかわいそうな女の子がいました
女の子があんまりかわいそうだったので
まわりのひとたちはみな女の子を愛したのですが
せかいでたったひとりの、女の子の父親だけは
その女の子を愛してはくれなかったのです
――というお話だったのさ
- 出版社/メーカー: イマジニア
- 発売日: 1997/01/24
- メディア: Video Game
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10数年ぶりにやってみた、やはり傑作。当時からキャスティングは豪華で(なにしろいちばんの若手が岩男潤子だ)今では到底考えられないようなメンバーが揃っている。野沢那智はすでに物故されていますが、若本規夫が「ぶるわぁぁぁぁ」とか言わずにフツー落ち着いた演技をやっているのが今では考えられん(笑)
80年代のロボットアニメでよく活躍していた女性声優の方が多く出演されていて、艶っぽい演技をされているのが嬉しいところです。本多知恵子演じる弥生さんがカワエエのよ ヾ(≧▽≦)ノ すっごくすっごく!
コマンド総当たり制のシステムなんで、適切なものさえ選べばシナリオを進める事自体は可能です。けれども男女二人の主人公(天城小次郎、法条まりな)を設定し双方の視点を交互に見て行かないと行き詰まる。一本調子のシナリオをただ読まされてるだけではなくて、プレイヤーの側からアプローチしないと先へ進まない、そういう作りになってます。そんな「視点切り替えシステム」も当時はそこそこ流行ったんだけど、シナリオの進行と上手く連動してないと、単なる煩わしい作業になりかねない。その点本作は上手く出来てるなーと、改めて思わされます。最初は2枚のCD-ROMを物理的に入れ替えるんだけど、物語が加速する後半「テラー編」では1枚に集約される。ふたつの小さな事件が、ひとつの大きな陰謀に収斂していく…
泣ける話ですよ。
2人の主人公に2つの物語。登場人物のうち幾人かは裏表のあるキャラクターだったりあるいは二重人格だったりします。ゲーム自体のタイトルロゴも左右対称的なデザインで「2」あるいは二面性というものが、このお話のテーマやコンセプトだったりするのかな?要所要所でプレイヤーに考えさせたり、しばしば時系列を一端飛ばして巻き戻したりなど、なかなか凝った作りの推理ゲームです。クライマックスでは「読者への挑戦」的な趣向もあったりする。提示される「正解」には疑問や矛盾も無い訳ではないんだけれど、作りが丁寧だからこそ些細なほころびが気になるところで、最初から雑であればそんな気分にはならないでしょうね。
本作は発売当時大人気を博して、その後いくつも続編が作られました。シリーズ名称だけは引き継がれても、ゲーム製作の主要スタッフはごっそり入れ替わってるのがこのEVEシリーズの特徴(?)で、正直長年ファンをやっていたひとほどあまり良い目は見なかったんじゃないかなーと思われる。自分自身は本作の直接の続編(の割にはシリーズ全体を通してはかなりの番外編である)「EVE the lost one」だけやりましたけど、あとは全然知らなかったので…
2年前に本作がリメイクされていたとはちっとも知りませんでした。
http://www.kadokawa.co.jp/game/eve/
(゜Д゜;)ナニコレ…