ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

野尻抱介「南極点のピアピア動画」

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

謎の感動。

うん、あれだ、お話の方は初音ミクニコニコ動画をモチーフにしてオープンソース万歳集合知サイコー!をテーマに据えた連作短篇集(で、技術設定的には「大風呂敷と蜘蛛の糸」*1の続きだったりもする)。最初は月に衝突した隕石のお陰で失恋した男の話が、気がついたら星間文明と人類社会のファーストコンタクトになっていくとゆースケールのデカイお伽話で、ある種の他愛無さやファンタジックな要素が多分に感じられるんだけど…



なんでおれこんなに泣いてるんだろう(´;ω;`)ブワッ…


第三話「歌う潜水艦とピアピア動画」のラストでミクさんじゃなかったレイ様でもない、あーやこと“あーやきゅあ”が実体化するあたりから最終話「星間文明とピアピア動画」全編に渡るまで、何故だか涙が止まらないんだ。別に俺そんなにボカロ脳ってわけじゃないんだよ?ニコ動で見てるのはアッセンブルPのボトムズMMDとかなんだよ??前半2本の作品に登場する女性キャラが正直あんまり魅力的じゃない(失礼!)なのも、たぶん第三話のラストを際だたせる為ではないかと…オトコって勝手な生き物で本当にスイマセンm(_ _)m

「人間じゃないものが人気者になると、みんな幸せになる、ってのが小隅レイのヒットでわかったことなんだ」


あー、たぶんアレだ、初代「To Heart」でマルチが学校の廊下を掃除してた時と同じ種類の感動なんだなこれは。「はやぶさ」っぽくもあるしなあ。

「進歩した文明に主従の階層などいらないはずだよ。意識を持つ固体は、誰もがその文明を享受し、担い手になれると思う」


誤解を恐れずに敢えて書くとこの作品の根底にある思想は極めて幼稚な、稚拙な性善説と盲目的な希望の視線だと思う。でも、


それが大事なんです(´;ω;`)ブワッ…


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うたはいいねえ。リリンが生んだ最高の(ry