ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」

屍者の帝国

屍者の帝国

人から借りて読む。これに関してはいろんなひとがいろんなところでいろんなことを語っていると思うので、表層的なところで書くと久し振りにオーソドックスなスチームパンクを読んだなって気分です。最近の「ネオ」がつくような小奇麗でお上品で(いささか性差別的な言を許されるならば)ご婦人好みの物じゃなく、小汚くて品性のタガが外れた、病気というかいささか狂気じみたオルタナティブ・カルチャーなお話し。キャラクターや小道具にベタな物を配するのはこのジャンルのお約束のようなものだよなあうんうん。

登場人物解説みたいなものが初版刊行当時に自発的に作られてコミケで売られたって話も聞くけど、ホントは巻末に載せるべきだよねそういうものはね。キム・ニューマンのドラキュラ三部作と東京創元社の編集部はえらかったですよハイ。

この本について語られるときにワトソンとフライデーはよく俎上に乗せられるけど、フレデリック・バーナビーのキャラについてはあまり聞かないような気がする。なんでだろうね?