ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

長田龍太「続・中世ヨーロッパの武術」

続・中世ヨーロッパの武術

続・中世ヨーロッパの武術

前作*1の続編にして補完となるもの。前巻と比べて扱われている時代・地域の幅は広がり、「中世ヨーロッパの」と題しつつも近世の銃剣や中世でもイスラム圏の武器・武術についても解説されている。

内容的な差異としては前巻よりも武器そのものへの記述・説明が増えたかな…と思う。当時の絵画彫刻などの美術品、出土品や展示品として現在までも残る刀剣実物についての解説パートは情報の多いものです。日本では「D&D」を初めとするロールプレイングゲームで初めて受容され一般化したものが多い事物で、その際に名称などの事実誤認が頻出したのは確かなのだけれど、そもそもヨーロッパでの刀剣研究も杜撰なところはあったようで大抵の長物はなんでもかんでも「ハルバート」呼ばわりとかあったらしい。

例によって戦闘技法の解説が、やはりメインとなるでしょう。今回はボクシングの項目があったり前巻よりはいろいろと増え*2、特に戦列兵(マスケット銃兵)に対するハイランド兵のクレイモアチャージがいろいろ( ゚Д゚)スゲェ

*1:http://d.hatena.ne.jp/abogard/20121010#p1

*2:シャーロック・ホームズで有名な「バリツ」の正体についても解説あり