- 作者: 戸?一成
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2013/08/27
- メディア: 単行本
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もう続きが出てたのかーと思ったら去年は2冊刊行されてたのね。年1冊から2年で3冊程度のペースに上げていきたいそうでそれは結構なことなのですが、続きはもう読まないかも知れません。
以前から「反省」の中身、内容についてはいささか疑問に感じるところもありながら読み進めてきたのだけれど、今回「特攻の本質は愛です」などと出席者のひとり(終戦当時佐官クラスの階級で特四式内火艇や震洋の特攻作戦を指揮していた参謀職の人物)が述べているのを読んで思わず本を壁に叩き付けそうになった。
何が愛だよ。ふざけるんじゃねえよ。
結局この会がやっているのは「反省」ではなくて「問題点を列挙することで巧妙に自己保身を計る」だけでしかないんだなと思ったら読むのが辛くてね…
陸軍の暴走を指摘して「その横暴ぶりはあきれるほどであって、こういうものに国をリードさせてはいけない」としながらもその陸軍の内情を全く知らなかった「我々海軍は」「善人の集まりで、ことに体質的に箱庭で育ってきたので、性は善なりなんです」なんて言えちゃう、そういう態度がなあ、その陸軍の謀略・下克上指向その他モロモロに関しても旧日本陸軍がドイツ軍の影響を多く受けていたことを引き合いに出して「日本民族の欠陥という点もありますけれど、私は陸軍に関しては、日本の民族の欠陥でなくて、ドイツのそういうのを受けとったから、ああいう問題が起きたのであって、日本の民族そのものにはあれほどの欠点はないと思います」か。
これ反省って言わないだろう。出席者が存命な間は公開を控えたのも判る気がします。今回収録分は昭和58年の記録だけれど、こんな集いが平成の時代になるまで行われていたのが矢張りいちばんの驚きですね…
証言内容は貴重でありますし知識を得るところ大な本と考えますが、おそらく続刊以降は読まないものと思われます。
なんだか気持ち悪くなってきたので。
全然関係ないけどこんな話が今日になって出てきて、そういえばこの海軍反省会では民間徴用船舶の問題は討議されてなかったなあとか思うわけだ。