ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

ジョン・キーガン リチャード・ホームズ ジョン・ガウ「戦いの世界史」

戦いの世界史: 一万年の軍人たち

戦いの世界史: 一万年の軍人たち

「一万年の軍人たち」とサブタイトルにあるように、主に「ひと」の観点から軍事の歴史を解説したもの。個人よりは「兵科」の変遷をたどっていくような内容か。原著は1985年と若干古くて直近の記述はフォークランド紛争ぐらいまでなのだけれど、現代戦を解き明かすようなものではないし十分現代の視点に耐え得るものです。

カーネル、キャプテン、ルテナントやサージャントなど階級名称の語源を知れたのは収穫。それぞれ「縦列長」「頭目」「旗持ち役」「従者」というような意味だったらしい。*1

不正規戦や戦争体験者の心傷にもそれぞれ章が割かれていて、もとはBBC製作によるTVドキュメンタリーの副読本だという出自も含めていろいろ驚かされる。80年代って「イギリスのテレビはつまらない」みたいな意見が支配的でしたよねー日本ではねー

*1:カーネルとキャプテンは本文ルビのままだけど、後者ふたつは正確には旗振り役に「レフテナント」、先任従者長に「サージェント・メジャー」のルビが振られている