ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

「ガールズ&パンツァー 劇場版」見てきました

もうね、言葉がない。テレビシリーズ本放送の際、製作スケジュールが押して最終2話が翌年に繰越と決まって、恥ずかしながら当時すごく財布事情が厳しかったんだけれど、「こういう作品には投資しなきゃダメだ!」と、プレーヤーもないのにBD全巻購入したのをこう、その、決断してよかったなあとか思います。

テレビの最終2話もOVAもよかった。劇場版はもっとよかった。劇場公開決定の第一報が流れた頃に「こんな話になったらいいなあ」などと勝手に妄想していたことの、いくつかそういうシーンがホントに流れて謎の感動である。


かつて心に希望はあって、今やそれは叶えられた。これからどうして生きていこう?


(´-`).。oO(前売り券が一枚あるからもっかい見に行きゃいいんじゃないかな)

以下感想をつらつらと、ネタバレ注意でよろしくオネシャス


西住みほというキャラクターは最近のアニメの主人公にしては珍しく(でもないかなー)感情表現を相当抑えめに描かれています。いわゆるクールな、感情のないキャラクター作りとは違って、喜怒哀楽はちゃんと持っていて、でもそれを前面には押し出さないような演出をされている。テレビシリーズのときは感情が強く出すぎていたカットが円盤時に作画修整されたぐらいで、もちろんそこにはちゃんと意味があるのだろうけど、ある種の「抑圧」を受けているように感じていたのも確かで。

でも、そんなみほが今回の劇場版では思い切り感情を吐露するような描写が多かったのは見ていてとても気持ちが良かったものです。ひとつはボコミュージアムの一連のシーンで、ここは半分ギャグみたいなシークエンスだったけれど、島田愛里寿と始めて出会う場面であったり、なぜボコられグマのボコがガルパンのシンボルキャラクターであるのかが始めて作中で表現される、極めて重要なシーンであったかと思われる。

もうひとつは熊本の実家に戻ってからのかえりみち、II号戦車に乗りながら回想される過去のシーン、まほと二人でやっぱりII号戦車に乗って魚釣りに遊びに行った思い出の場面。ひとりで戦車から飛び降りたり、そこで転んで泥だらけになったり、とても自由で奔放な表情を見せていて、それがとてもよかったですよ。

きょうだいは仲が良いほうがいいもんな。

子供の頃にタミヤII号戦車作った人なら一層感慨深かったんじゃあるまいか。残念ながら自分が子供の頃に作ったのはM4シャーマンだったので・・・
「こどものころ」って何の疑いも無く生きていられるから、きっとそれが大事なんでしょうね。劇場版イメージソングの歌詞も、なにかそんな感じでしたし。

ちなみに「あの」II号戦車を作りたい人はタミヤの古いほうのII号戦車F/G型を買うべきです。古いプラモだけどね。


上手く言葉がまとまらないなあ。ベタだとわかっていてもプラウダ勢が次々に犠牲になっていくシーンは泣けたし、アンツィオの三人は最弱の車輌に乗って参戦、でも情報の要という重要な位置を占めていたし(EDではこの三人が出鱈目に可愛い)。ケーニヒス・ティーガーは味方になれば非常に強力な仲間で、サンダースの資本(?)力や聖グロリアーナの頼もしさとかもうね、いろいろね。

不和と不安が日々増大していく今の時代に、たとえ絵空事でもいいから、敗者が勝者を讃え、信頼と友情が醸成されるストーリーが人気を博するのは、それはきっと良いことでしょう。どれほど古臭く胡散臭くあったとしても、良い話を良い話だと言える自由は持っていたいな。

そんなことを考えていた。そんなことを考えるアニメじゃないと思うけどな(w

メカ関係についていくつか。

・冒頭から登場していた日本軍の双発機は高速爆撃機「銀河」。偵察・監視向きの機体じゃないけれど(なにしろあの図体で急降下爆撃までするのだ)、スマートで見栄えのする飛行機です。水島監督がツイッターで双発日本機出したいって言ってた頃はファインモールドがらみで「東海」でも出すかと思ったのだけれど。

・知波単の戦車は新旧二形式の九七式中戦車“チハ”と九五式軽戦車“ハ号”。太平洋戦争末期には非力な日本軍戦車は厳重にカモフラージュして至近距離から伏撃を行ったのだけれど、戦場が遊園地に移ってからの知波単勢の愉快な待ち伏せはちょっとそんな印象を受けたり。砲威力は強すぎな気もするけれど

・冒頭のエキジビションで「撃破なんてスチュアート以来だ」みたいな台詞があったので、史実の日本軍と同様アメリカ製のM3スチュアート軽戦車を運用していた(何気に最強であった)過去があったと思われる。乗員の名前(苗字)はすべて旧軍の機甲部隊関係者で、ハ号の福田ちゃんは要するに司馬遼太郎である。

・エキジビションでノンナさんのIS-2がいわゆる「零距離射撃」で一年生チームのM3リーを仕留めるのは「黒騎士物語」の意趣返しだろうかいやあるまい(反語)

・大学選抜チームが使っていたのはM26パーシング、M24チャーフィー、センチュリオンMk.Iと第二次大戦末期の連合軍車輌が主体。いまチャーフィーのプラモ作ってる俺様大勝利と言いたいところだけれど、カステンのキャタピラどうしましょう・・・

・まあカール自走砲が無人で運用されるようなリアリティ皆無の世界だ、細かいことは気にするな!でもパンフレットに後期型とあるのは間違いで、劇中に登場したのは初期型です。プラモ狂四郎でみどりちゃんのGMぶっとばしてたヤツです(知るか)

・愛里寿がのっていたセンチュリオンMk.Iだけはプラモデルがないなあ、高価なレジンキットは存在するけれど。それと大戦型のM26はM4シャーマンと同じエンジンだったんでアンダーパワー気味だったことは全て忘れろ。

・T28自走砲は二重になっているキャタピラを輸送時に取り外して車幅を狭く出来るけれど、爆発ボルトで外れるのはマンガ的なアレで。でもね、ああいうギミックを駆使して派手に見せられるのは、やっぱりマンガならではですよ。

・継続高校のBT42が装輪走行始めたときなんかね、「その手があったか!」って心で喝采上げるほどのね。フィンランドといえば1000湖ラリーの国でもあるので、当然ドラテクのほうもすごいんでしょうねえ。

能登スナフキン

・自動車部が初めて自動車に乗ってたけれど、あれって車種はなんだったんでしょう?スバルのレオーネとかだったりするとナカジマとかレオポンとかに都合が良いように思われる。 トヨタソアラだったらしい。その意味や如何に。

・そのほか画面で確認できたのは九一式広軌牽引車とサラセン装甲車、プラウダ勢が乗ってきたのはポモルニク型揚陸艦、あと大洗の市街にホルヒ1aみたいなドイツのソフトスキンと、やたらと派手な塗装のエアロザン(形式不明)がいましたな。サンダースの輸送機は台詞にもあったとおりC-5ギャラクシーで、香貫花クランシーが初来日したときの飛行機でね。

・黒森峰の飛行船と知波単の蒸気機関車がワカラン。識者求む。

・今回、例のメガネモブ子はプラウダでKV-2に乗ってました。砲塔内部のシーン、画面左上の位置で、あれは砲手かな?

・そして相変わらずパンターに厳しいアニメである。直下さんと小梅ちゃんが出てきたのは良かったが、良かったが瞬殺である・・・

・クライマックスの戦車戦をBGMとSEだけで構成したのはすごくディープパンツァーCDでした。爆音上映で見たいなあ。

ヴォイテクがアレだったのはたぶんグッスマの陰謀

そんな感じでしょうか。何かあったら追記します。劇場版をご覧になった方で戦車関係疑問があれば、わかる範囲でお答えしますよ、わかんないところは答えられませんよ。

<以下追記>

センチュリオンMk.IもM26(T26E3)パーシングもM24チャーフィーも、第二次世界大戦末にぎりぎり間に合った戦車だけれど、ぎりぎりだけにほとんど活躍の機会は無かった。そして数年後の朝鮮戦争ではまったく役に立たなかったり後継車両に置き換えられたりでどれも「ローテーションの谷間」みたいな存在でした。そういう戦車が存分に活躍するのはやっぱいいよね。

・継続の監視台(?)付きトラックと揚陸艇の詳細はS木N生の著作あたりに載ってるんだろうか。立ち読みしてくるか(えー

・TVシリーズのクライマックスは「学校」で戦って、今回は「遊園地」だった。これきっと意味があるぞ、何か。

・観覧車が転がるのは「1941」ですよ念のため

・TVシリーズ本放送終了のころ、たしかMCあくしずに載ってた記事で「逸見エリカ選手インタビュー」みたいなのがあって、西住姉妹は言葉に出さなくても以心伝心みたいなところが・・・的なことが書いてあったのだけれど、最終決戦はまさしくそんな感じでしたな

・いま気がついた。やさぐれた風紀委員3人がヤンキー座りでキュウリ食ってたのは“おカッパ”だからだ・・・!

・知波単の旧い伝統に異を唱えるのが「司馬遼太郎」だってのは、ワザとなんだろうなあ

・結局「童心」が大事だってことなんでしょうかしら?子供の頃になんのわだかまりもなく好きになるものといったらやっぱり戦車と恐竜だ

<2回目見てきた>

・爆音上映、いいですねえ

・冒頭附近で大洗に止まってたのはホルヒじゃなくてシュタイアー1500だった

・エルアラメインのボードゲームでエルヴィンが「参りました」ってやってるのは史実どおり

おりょうさんのおっぱいでかい

<3度目>

・西ちゃんの魅力は胸の谷間だということを再確認した。谷間の百合は鐘に散るといってだな

<4度目>

ガルパンはいいぞ
・febriを読んでいたので細かな点にいろいとろ気がつけました。神社にちゃんとお参りしているノンナさんステキよ。

<5度目>
ユナイテッドシネマとしまえんで4DX
・メガネモブ子を黒森峰にも発見(!)