ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

早川書房編集部・編 「ハヤカワ文庫SF総解説2000」

ハヤカワ文庫SF総解説2000

ハヤカワ文庫SF総解説2000


ハヤカワ文庫SFの通巻2000冊を記念してSFマガジン誌上で3号連続にわたって掲載された特集を単行本化したもの。データーベース、といって差し支えないでしょう。「データーベースは結論を導かないんだ」とは言いますものの、こういうデータを公式にかつオープンに、しっかり残しているのはハヤカワぐらいのものだよなー。

「読書」という行為に真面目に向き合うようになったきっかけがハヤカワSFを全部持ってるひとと出合ったことだったり*1、SFハンドブックで勉強したりでやっぱりハヤカワSFとは個人的にも縁が深く、ただ他人の解説読んでるだけでも楽しいものです。とはいえいくつかはあきらかにつまらなそうだったり、相当無理筋な推し方してるのあったりでまあ色々だな。

時代性というのは見えてくるような気もします。リアルタイム80年代末〜90年代初頭の頃はサイバーパンク以前/以降でがらりと変わったような気もしていたけれど、いま距離を置いて俯瞰してみれば、ニューウェーブが過ぎた後には古いSFの大地が現れてきたことと、さほど変わりはないんだろうね。

*1:一度火事で全焼したので再度コレクションし直したそうだ