ひとやすみ読書日記(第二版)

最近あんまり読んでませんが

パトリック・ネス著 シヴォーン・ダウド原案「怪物はささやく」

 

怪物はささやく

怪物はささやく

 

いわゆる 「本読み」が薦めてくる本というのは自分自身が親しんでいるジャンルであるかどうかに拘わらず面白いものだけれど、普段あまり読んだ本を薦めてこないタイプの本読みが、それでも薦めてこざるを得ない本といったらそりゃ面白いに決まってる。

 

普段読んだ本をそれほど薦めてこないこない方が強力にプッシュされていた一冊、実に面白く読めました。悲しいお話だけれどねえ…。思うに、「面白い」と「喜怒哀楽」は異なるレイヤーに属しているのだろうなあ。

 

「感覚に素直になれば矛盾は必然」ということを、僕は「メルティランサー」シリーズのたしかノベライズで学んだのだけれど、この本はまさしく素直な感覚のままでいれば必然的にひとは矛盾を抱えざるを得ない、というような内容でした。それほど簡単に、ひとは是非を分けられはしない。コナーも、ハリーも、リリーも、そして周囲の大人たちも、皆矛盾を抱えて生きている。是を正しくする存在が何かといえば

 

怪物である。

 

Monster supirised you.

 

そりゃ自分にだって真実を話すくらいなら死んだ方がマシだって思うことはある。

 

そのことについては実生活でもネットライフでも、これまで明らかにしたことは無い。

 

怪物に会いたいと、切に思う。

 

映画化されてちょうどいま公開されてるんだけれど、とてもこれは見られないな…