- 作者: アーシュラ・K・ル・グィン,丹地陽子,小尾芙佐,浅倉久志,佐藤高子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1980/07/25
- メディア: 文庫
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※自分が読んだのは旧版
これは読みやすかった。全図が全部ではないが概ね素直に楽しめた、共感しやすいというか「寓話」的な要素を楽しんだような感覚。考えてみればゲド戦記も「こわれた腕環」が一番好きで、あれは分かりやすい寓話だったからなあ…。そのゲド戦記のアースシーを舞台にした作品のひとつ「名前の掟」は珍しく(?)コミカルというかブラック・ユーモアなオチが楽しい、不思議。「四月は巴里」の軽妙さもこれまで読んできた(いやそんなに読んでないけどね)長編とはなにか違う雰囲気で、それでも「マスターズ」や「九つのいのち」には長編と通じ合うテーマ性があったりといろんな作風が楽しめます。
それでやっぱり「オメラスから歩み去る人々」がね、これを初めて読んだのは実は結構最近のことなんだけど、10代の頃に読んでおけばよかったと思うと同時に、10代でこれ読んだら拗らせそうだな、とも思うわけです(笑)